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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
しかし、凛は忠実に距離を保ち、用がない時は慧の方をチラリとも見なくなった。
時間がたつにつれ、余裕がなくなってくる。
休みの日も忙しくて会えないの一点張りだった。

凛とキスしたくて仕方ない。
二人きりでゆっくり過ごしたい・・・・・・。

不忍池でキスしてから三週間経とうとしていた。
慧はしびれを切らして、とうとう凛の仕事が終わったであろう時間に電話した。

「・・・・・・・もしもし」
「こんばんは。今、大丈夫?」
「うん・・・・・・・」
「もう限界なんだけど」
「・・・・・・・・・」
「二人で会いたい。今度の日曜日、俺の家に来て」
「・・・・・・え?西辻君の家に?」
「だって二人でどこか店に行くのもダメなんでしょ?俺の家がイヤなら中谷さんの家でもいい」
「私の家?それはもっとダメ」

慧はため息をついた。

「中谷さんは会いたくないの?」
「そんなことないけど・・・・・」

凛は平気なのだろうか。本当にあのキスを無かったことにできるのだろうか。
拒絶されて自分ばかり傷ついていることが気に入らず、凛を困らせてやりたくなってくる。

「金曜日のコンパ、中止にしようかなー」
「え?金曜日のコンパって・・・・・・芦屋先生たちの?」
「だって、人の幸せ応援できるほど自分が満たされてないし・・・・・・」

慧はわざとらしく神妙な声を出して言った。

「わ、わかった。日曜日行くから、コンパはちゃんと開催してあげて」

凛が焦った様子で言った。
慧は約束を取り付けられたことに満足してにっこり笑うと、ワインセラーからワインを取り出した。

「昼食の用意をしておくから、一緒に食べよう。何か食べたいものある?」
「ううん・・・・・・。お任せする・・・・・・・・」

凛の声がわずかに緊張しているように。

(ああ・・・・・・・。もしかして、そういう心配?)


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