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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
凛の硬い表情を想像して、慧はフ・・・・・・と微笑んだ。

「心配しなくても大丈夫だよ。キスまでしかしない」
「そ、そんな心配してない」
「そう?」

もっと電話で話をしたいが、あまりしつこくして引かれては元も子もない。
慧は早々に電話を切ると、自宅の住所を凛にメッセージで送った。

オープナーのナイフでキャップシールに切り込みを入れる。
コルクを外してワイングラスにワインを注ぐ。

凛が頻繁にこの家を訪れ、一緒にワインを飲み、キスをして、そして・・・・・・。

そうなるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。
自制心には自信があるが、凛に関して言えばどこまでそれが持つのか自信がなかった。

早く二人で会いたい。
凛のことを想って飲む時間が日に日に増していた。


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