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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
慧は昼食の準備をしながら鼻歌が出てしまうほどに浮かれていた。
こんなに楽しみなのはいつぶりだろう。
もうそろそろ凛が到着する。
インターホンが鳴って、モニターを見る。
マスクにサングラスに帽子という明らかに不審者のような格好をした凛が見えた。
思わず噴き出す。玄関を開けた瞬間に抱きしめてキスしようと思っていたのに、と残念に思うと同時に、凛らしくて笑ってしまう。
どうぞと言ってエントランスのカギを解除する。
慧は急いでテーブルセッティングを終わらせた。
再びインターホンが鳴り、玄関のドアを開ける。
「いらっしゃい」
「・・・・・・・お邪魔します・・・・・・」
「それ、余計に注目されると思うんだけど」
慧は苦笑しながら玄関で凛の帽子とサングラスとマスクを取った。
前髪が乱れて、慧がス、スと指で整える。
ライトブルーのシフォンのシャツにジーンズ。ねじって作られたハーフアップのヘアスタイルのおかげで凛の愛らしい耳が露わになり、やわらかそうな耳たぶに細いチェーンのピアスがついている。普段のパンツスーツ姿の凛からするとずっと可愛らしい雰囲気だった。
今すぐ抱きしめてキスしたくなるが、我慢する。
慧は部屋の中へ入るように促した。
「こんな凄いところに住んでるだなんて聞いてない・・・・・・」
凛が渋い顔をしながら慧の後ろを歩いてくる。
慧はタワーマンションの二十七階に住んでいる。
あまり女の子を入れたことは無いが、だいたいの子がきゃーとかすごーいとかいう反応をするのに、凛はむしろ嫌悪感を抱いているような反応をする。
「セキュリティがしっかりしてるところが良かったのと、売却する時にいいと思って買っただけで、別にこだわりは無いよ」
「買った・・・・・・!?」
「一応言っておくけど、親父の金じゃないよ?自分で稼いだ金だから」
「・・・・・・・・」
凛は呆気にとられてリビングをぐるりと見渡している。
こんなに楽しみなのはいつぶりだろう。
もうそろそろ凛が到着する。
インターホンが鳴って、モニターを見る。
マスクにサングラスに帽子という明らかに不審者のような格好をした凛が見えた。
思わず噴き出す。玄関を開けた瞬間に抱きしめてキスしようと思っていたのに、と残念に思うと同時に、凛らしくて笑ってしまう。
どうぞと言ってエントランスのカギを解除する。
慧は急いでテーブルセッティングを終わらせた。
再びインターホンが鳴り、玄関のドアを開ける。
「いらっしゃい」
「・・・・・・・お邪魔します・・・・・・」
「それ、余計に注目されると思うんだけど」
慧は苦笑しながら玄関で凛の帽子とサングラスとマスクを取った。
前髪が乱れて、慧がス、スと指で整える。
ライトブルーのシフォンのシャツにジーンズ。ねじって作られたハーフアップのヘアスタイルのおかげで凛の愛らしい耳が露わになり、やわらかそうな耳たぶに細いチェーンのピアスがついている。普段のパンツスーツ姿の凛からするとずっと可愛らしい雰囲気だった。
今すぐ抱きしめてキスしたくなるが、我慢する。
慧は部屋の中へ入るように促した。
「こんな凄いところに住んでるだなんて聞いてない・・・・・・」
凛が渋い顔をしながら慧の後ろを歩いてくる。
慧はタワーマンションの二十七階に住んでいる。
あまり女の子を入れたことは無いが、だいたいの子がきゃーとかすごーいとかいう反応をするのに、凛はむしろ嫌悪感を抱いているような反応をする。
「セキュリティがしっかりしてるところが良かったのと、売却する時にいいと思って買っただけで、別にこだわりは無いよ」
「買った・・・・・・!?」
「一応言っておくけど、親父の金じゃないよ?自分で稼いだ金だから」
「・・・・・・・・」
凛は呆気にとられてリビングをぐるりと見渡している。