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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
「そういえば、コンパしてくれてありがとう。・・・・・って、私が言うのも変だけど・・・・・。乃木先生、なんだかうまくいってるみたいで」
「そうみたいだね」
「お相手の方、どんな人?」
「私大で准教授やってる人。若い頃、女性関係でちょっと傷ついたことがあってそれ以来女っ気のない生活してたんだけど、声かけたら喜んで来てくれた。古典文学の研究者だから、乃木先生と話が合ったみたいだね」
「うん。すごい嬉しそうだった。もう二人で会う約束してるみたい」

凛は自分のことのように嬉しそうに言った。

「・・・・・あのさぁ、もしかしたら俺にも良い出会いがあったんじゃないかとか気になったりしないの?」
「え?」

凛は子羊のローストの横に添えられたクレソンをフォークで突いた。

「・・・・そういうことがあっても、おかしくないと思ってるよ。西辻君、モテないわけないだろうし」
「なんか、痛くも痒くもなさそうだよね」
「そんなことないけど・・・・・・。今なら傷が浅くて済むかなとは思う・・・・・・」

的確な表現に思わずクスっと笑う。
おそらくそれが今の凛の本心なのだろう。
慧の方は、凛が誰かと付き合うことになったと報告されたら、おそらく浅い傷じゃ済まないだろう。

凛は次第にリラックスして、時折笑顔も見せるようになった。
美味しい美味しいと言ってデザートまで残さず食べた。
前回のことがあるからか、ワインは一杯だけに抑えていた。

一緒に片付けをする。自分の家のキッチンに立って食器を洗っている凛を見て嬉しくなる。

「そういえば、城田と中谷さんの友達、付き合ってるんだって?城田が言ってた」
「あ・・・・・・響だよね。そっか、付き合い始めたんだ」
「言ってくれたら良かったのに」
「あー・・・・・。いや、まだ付き合うかどうかみたいな感じだったし、城田君から聞くかなと思って・・・・・・。私と同じ職場だって、言った?」
「言ってない。彼女の友達が東京の予備校で働いてるんだけど、知ってるかって聞かれて、知らないって言った」

凛は、そう・・・・・と安堵した様子で呟いた。
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