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ごっこから何が生まれるのか
第2章 恋人ごっこ。
「文弥のここ…」下半身に足をあてられ

「硬くなってる?」なんて顔を覗き込み

「もう少し意地悪したくなった」と手を引かれ



意地悪している自覚はあったのか。なんて考えながら彼に流される俺がいた。人目につかない物陰に手を引かれて行くと、壁に押し付けられる。これが壁ドンかと彼を見ると下半身に足を割入れ、固くなったソコを足で何度も擦り上げる。



「んっ、ふっっ、っぁ、ちょっ…くら、しきっ、さん」



流れ的に無駄だと分かりながらも一応抵抗してみせる。足を閉じようと無駄にモゾモゾとしてみたりもする。



「文弥?」名前を呼ばれ目が合う

「ココ気持ちいい?」膝でコリコリされ

「足震えてるけど?」言われるまで気付かずに



彼の足が離れると支えが無くなり、ズルズルと壁に沿い体が沈んでいった。本当だ、足が震えてる。この状態になり初めて震えを自覚した。



再び繋がれた手は先程より熱く、しっとりと湿っている。汗を拭きたくても手は離されず、湿ったままホテルに着いてしまった。湿っていたのは手だけでは無いのだけど、それは気付かない振りをして




「シャワーあびましょうか」


「先に浴びてきてもらっていいですよ」



彼を先に風呂へ向かわせ、シャワーの音が聞こえるのを確認すると昂りを誤魔化す為に煙草に火をつけた。ネクタイを外し、ボタンをひとつ外す。深く吐き出すとホテルに入る前の言葉を思い出し時計を眺めていた。


「宿泊でいいですか?朝はゆっくりしたいですよね?」


あと何時間一緒に過ごせる。
そう考えたら落ち着き始めた昂りが、ぶり返してきた。彼とは初めてではない。と何度も思うのだが恋人ごっこに付き合っていくうちに、前回の時にはなかった甘い時間が体を脳を変にさせていく。恋人との初めての時のような緊張を今味わっている。


ガチャっと扉の音がすると彼がシャワーを終えた事を報せた。


「文弥も入ってきたら?」


腰にタオルを巻き、濡れた髪から滴る雫がなんとも言えない。メガネを外した顔は若干眉間に皺を寄せ俺の方を見ている。


「洗ってあげようか?」と悪戯っぽく笑う彼。
「大丈夫、自分でできますよ」とシャワーへ向かう俺。


恋人っぽくできていますか?という言葉を飲み込み、ひとり風呂に向かった。頭からシャワーを浴びるとその言葉を呟いてみた。

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