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ごっこから何が生まれるのか
第2章 恋人ごっこ。
「キスは嫌?」と頬に触れられ
「俺はすっげーいいんだけど」と自身の唇に指を這わせ
「文弥の此処でも味わってよ」とその指は咥内に侵入し
水音を響かせながら彼の指を舌で味わう事になった。まるでディープキスをする時のように絡め、息があがっていくんだ。指が離れた時、少し切なくなった口は追う様に自ら含んだ。
「別にいいんだけどね、俺のだかさら」と首を傾け
「でもちょっと、本当にちょっとだけ」と濡れた指を舐め
「やきもちだよ」と顔が近づき口付けを交す
「んっ、ぁ、たけ、、、る、さん、っん」
「何?また待った?」
裏路地で見たあの顔。意地悪をしたい時はこういう顔をすると学んだ。その顔で見ないでもらいたい。たまらなく昂ってしまうから。
「違っ、も、もっと、、、」
整わない息で女みたいに甘える。
世間では男同士の口付けなんて気持ち悪いと思うのかもしれない。「もっと」なんてゾッとするシーンではないだろうか。いつか雑誌で読んだ事がある「女同士は絵面がキレイ」だと。「男同士は漫画の格好良い同士だったらいいけど、リアルは辛い」辛いってなんだよなんて思ったけど、いい大人の男同士のイチャイチャなんてそりゃ辛いよな。
「文弥、何考えてるの?」
「もっと」の続きをするべく手を引かれベットに向かう最中だった。また余計な事を考えていた。良くない癖だと思うのだがたまに現実に戻る自分がいる。
「話してみてよ」と今しがたベットに腰かけたばかりなのに
「気になるなぁ」なんて言いながら来た道を戻る彼
「楽しまなきゃもったいないよ」とビールを渡され
「ゆっくりでいいと思ったんだけど、俺先走っちゃってました?もっとって言われて浮かれちゃったんですよね。ふと文弥を見たらなんかココ、ココに皺がね」
と柔らかい表情で眉間をトントンとされた。