この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第22章 【第二十二話】いっしょなら、おいしい

セラフィーナはいつも食事をしている部屋に移動した。そこにはすでにルードヴィグが待っていた。
「今日も美味しそうだぞ」
「いっしょなら、おいしい」
シーラが作ってくれた食事だ、美味しいに決まっている。それに、ルードヴィグと一緒なのだ。美味しくないわけがない。
二人はそろって食事を始めた。
「ん? これは初めて見るな」
皿の上にはそれぞれの料理が用意されている。今日はいつものように山盛りのサラダとフルーツ、そしてオムレツだ。セラフィーナの好物の一つであるが、ここに来て初めて出たかもしれない。
「これ、オムレツっていうの」
「材料はなんだ?」
「鳥の卵」
「ほう、なかなか珍しい」
セラフィーナはよく食べていたのだけど、鳥の卵は珍しいものなのだろうか。
「なんの鳥か分からないが、この辺りでは手に入りにくい」
「そうなの?」
「森の奥に鳥の群生があるんだが、そこにたどり着くのが大変でな」
「え、鳥って飼ってないの?」
セラフィーナのいた森の屋敷では、セラフィーナの食事用に様々な動物が飼育されていた。だから比較的、簡単に卵が手に入ったし、新鮮な肉も食べられた。森を少し切り開いて、畑も作っていた。セラフィーナもたまに水やりなどしていた。
後は森に入って狩りをすることがあった。
「鳥を飼うか。その発想はなかった」
「ん」
「検討してみよう」
食事を終えて、身支度と済ませると、二人は手を繋いで執務室へ向かった。
仕事の準備を終えた頃、青ざめたイェリンが部屋にやってきた。
そういえば昨日、朝一番で来るように伝えていた。この様子だと、一睡もしてないのだろう。
「イェリン、座って」
セラフィーナは座るように促したが、イェリンは首を振り、扉の前で跪くと床に顔を擦りつける勢いで頭を下げた。
「あの、陛下! 昨日は誠にっ! 申し訳ありませんでしたっ!」
イェリンの態度に、セラフィーナはルードヴィグに白い目を向けた。
「ルード」
「あっ、あぁ」
セラフィーナはイェリンに近寄り、立ち上がるように腕を引いたが、イェリンは頑なとして動こうとしない。
「イェリン、頭を上げろ」
「いえ、そういうわけには……っ!」
「頭を上げて、立て。命令だ」
「ルード」
「今日も美味しそうだぞ」
「いっしょなら、おいしい」
シーラが作ってくれた食事だ、美味しいに決まっている。それに、ルードヴィグと一緒なのだ。美味しくないわけがない。
二人はそろって食事を始めた。
「ん? これは初めて見るな」
皿の上にはそれぞれの料理が用意されている。今日はいつものように山盛りのサラダとフルーツ、そしてオムレツだ。セラフィーナの好物の一つであるが、ここに来て初めて出たかもしれない。
「これ、オムレツっていうの」
「材料はなんだ?」
「鳥の卵」
「ほう、なかなか珍しい」
セラフィーナはよく食べていたのだけど、鳥の卵は珍しいものなのだろうか。
「なんの鳥か分からないが、この辺りでは手に入りにくい」
「そうなの?」
「森の奥に鳥の群生があるんだが、そこにたどり着くのが大変でな」
「え、鳥って飼ってないの?」
セラフィーナのいた森の屋敷では、セラフィーナの食事用に様々な動物が飼育されていた。だから比較的、簡単に卵が手に入ったし、新鮮な肉も食べられた。森を少し切り開いて、畑も作っていた。セラフィーナもたまに水やりなどしていた。
後は森に入って狩りをすることがあった。
「鳥を飼うか。その発想はなかった」
「ん」
「検討してみよう」
食事を終えて、身支度と済ませると、二人は手を繋いで執務室へ向かった。
仕事の準備を終えた頃、青ざめたイェリンが部屋にやってきた。
そういえば昨日、朝一番で来るように伝えていた。この様子だと、一睡もしてないのだろう。
「イェリン、座って」
セラフィーナは座るように促したが、イェリンは首を振り、扉の前で跪くと床に顔を擦りつける勢いで頭を下げた。
「あの、陛下! 昨日は誠にっ! 申し訳ありませんでしたっ!」
イェリンの態度に、セラフィーナはルードヴィグに白い目を向けた。
「ルード」
「あっ、あぁ」
セラフィーナはイェリンに近寄り、立ち上がるように腕を引いたが、イェリンは頑なとして動こうとしない。
「イェリン、頭を上げろ」
「いえ、そういうわけには……っ!」
「頭を上げて、立て。命令だ」
「ルード」

