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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第22章 【第二十二話】いっしょなら、おいしい

セラフィーナの非難の声が聞こえたが、ルードヴィグは無視して促した。
そこでイェリンはようやく頭を上げて立ち上がった。
イェリンの隣にはイェリンを庇うようにセラフィーナが立っていた。
「あの、陛下」
青ざめてブルブル震えているのを見ているとさらにいじめたくなったが、そんなことをすればセラフィーナからなんと言われるか分からない。だからルードヴィグは咳払いをして、イェリンを見た。
「昨日のことだが」
「は、はいっ」
「不問とする」
「は……え?」
怒られることを覚悟していたイェリンは、ルードヴィグのその言葉が信じられなくて、何度か瞬きした後、セラフィーナを見た。
セラフィーナはイェリンを見て、微笑んでいた。
「というかだ。むしろ、褒めてつかわそう」
「えっ?」
「よくやった、また頼む」
怒られるどころか、褒められたうえ、また頼むと言われたことが自分の都合のいい妄想のように思えて、もう一度、セラフィーナを見た。
「あの、セラさま、本当ですか?」
「ん」
端的に肯定の言葉を告げられて、イェリンは信じられない思いでいっぱいだった。
「あの、わたし、起きてます?」
「ん」
「夢じゃない?」
「ん」
ルードヴィグはそんなイェリンを見て、苦笑した。
「なかなか俺の好みを突いていた」
「え? で、ですよね! セラさまには白が似合いますし! 清楚なのに淫靡でエロくて!」
「うむ」
イェリンはようやく調子を取り戻したようで、生き生きと力説する。
「それと、イェリン」
「は、はいっ!」
「無理して周りに合わせようとするな」
「…………? と、申しますと?」
「遠慮せず、魔法を使ってよい」
「え、でもなんか、ズルしてるみたいな感じがして」
「それは魔族相手でもか?」
「? いえ、それはないですけど」
「ならば、普段どおりに仕事をすればよい。その分、周りの者が助かる」
そこでイェリンはようやく頭を上げて立ち上がった。
イェリンの隣にはイェリンを庇うようにセラフィーナが立っていた。
「あの、陛下」
青ざめてブルブル震えているのを見ているとさらにいじめたくなったが、そんなことをすればセラフィーナからなんと言われるか分からない。だからルードヴィグは咳払いをして、イェリンを見た。
「昨日のことだが」
「は、はいっ」
「不問とする」
「は……え?」
怒られることを覚悟していたイェリンは、ルードヴィグのその言葉が信じられなくて、何度か瞬きした後、セラフィーナを見た。
セラフィーナはイェリンを見て、微笑んでいた。
「というかだ。むしろ、褒めてつかわそう」
「えっ?」
「よくやった、また頼む」
怒られるどころか、褒められたうえ、また頼むと言われたことが自分の都合のいい妄想のように思えて、もう一度、セラフィーナを見た。
「あの、セラさま、本当ですか?」
「ん」
端的に肯定の言葉を告げられて、イェリンは信じられない思いでいっぱいだった。
「あの、わたし、起きてます?」
「ん」
「夢じゃない?」
「ん」
ルードヴィグはそんなイェリンを見て、苦笑した。
「なかなか俺の好みを突いていた」
「え? で、ですよね! セラさまには白が似合いますし! 清楚なのに淫靡でエロくて!」
「うむ」
イェリンはようやく調子を取り戻したようで、生き生きと力説する。
「それと、イェリン」
「は、はいっ!」
「無理して周りに合わせようとするな」
「…………? と、申しますと?」
「遠慮せず、魔法を使ってよい」
「え、でもなんか、ズルしてるみたいな感じがして」
「それは魔族相手でもか?」
「? いえ、それはないですけど」
「ならば、普段どおりに仕事をすればよい。その分、周りの者が助かる」

