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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第25章 【第二十五話】悟るふたり
 ルードヴィグは蜜月のときに、セラフィーナが眠っているにもかかわらず、ナカに挿入れて貪った前科がある。
 だが今回は魔力はほぼ全快。昨日も明け方近くまで貪ったうえ、先ほど、浴室でも交わったばかり。一時期に比べればだいぶ落ち着いたとはいえ、物足りないというのが実情。
 それでも、安らかに自分の腕の中で眠るセラフィーナを見ていると、穏やかな気持ちになってくる。

「セラフィーナ……」

 ルードヴィグは低い声でセラフィーナの名を呼んでみた。
 眠っているセラフィーナからは返事はなかったが、満ち足りた気持ちになってくる。

「淋しい、か」

 セラフィーナの気持ちに、ルードヴィグは複雑な気持ちになる。
 ルードヴィグは今まで、特に淋しいと思ったことはない。それはきっと、気心の知れたアーベルがいたからだろう。
 ずっとそばにいたレンナントとエドヴァルドの二人を信じられないとか、やはり実母に殺され掛けた出来事はセラフィーナの心に大きな影を作ったのだろう。
 そして、今回の騒動。
 まったくもって厄介な。
 ルードヴィグはそう思ったが、それならば自分がセラフィーナの心を癒やせばいいと思い至った。

「っ!」

 そう思った途端、ルードヴィグの思いに呼応するようにセラフィーナのナカがうねった。

「くぅ……っ」

 ルードヴィグから子胤を搾り取ろうとせんばかりのセラフィーナのナカに、ルードヴィグは抗う。
 しかしそれはそれほど抗えず、ルードヴィグはセラフィーナのナカに子胤を吐き出した。

「はぁはぁ……。なかなか油断ならんな」

 荒い息を吐き出しながら、ルードヴィグはセラフィーナを抱きしめ直すと、ナカに埋め込んだまま、目を閉じた。

 朝、目が覚めると、抱き合ったまま寝ていたため、寝返りが打てなかったようで、身体のあちこちが痛い。
 ルードヴィグもセラフィーナもさすがに悟ったようだ。

「寝るときは別々」
「……そうだな」
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