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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第26章 【第二十六話】会談
 ミカルがルードヴィグの二つ隣の椅子に座ったのを見て、セラフィーナはルードヴィグの隣の椅子に座った。

「まずはご結婚、おめでとうございます。私はちょうど外に出ていましたのでご挨拶できず、大変失礼いたしました」

 そう言って、ミカルはルードヴィグの向こうにいるセラフィーナに頭を下げた。

「……ありがとう」

 セラフィーナはミカルの真意が分からず、とりあえず無難な対応をすることにした。

「それにしても急なお話でしたね」
「順序がなってないとでも?」
「いいえ」

 そうしてミカルはニコニコとセラフィーナを見た。
 魔王制反対の重要人物と聞いていたセラフィーナは、ミカルのその態度に戸惑いを覚えた。

「まさか魔王さまともあろうお方が私たちが申し上げている外部からの血を受け入れるとは思っていませんでした」
「俺はこだわってない。というよりむしろ、そろそろ外から血を入れないとまずいだろう」
「えぇ、そうです、そうです」

 ますます話が見えてこないセラフィーナは、しかめっ面をしてミカルを見た。

「セラさま、でしたかな」
「ん」
「我々のことはどこまでお聞きになっておりますか?」
「魔族の祖先は全員が始祖に繋がっていると」
「えぇ、そうです。それゆえに我々は魔族と呼ばれている」

 セラフィーナが聞いた話と齟齬がなかったので、小さくうなずいた。

「血がね、濃いのですよ」
「…………」

 血の濃さなら、セラフィーナも負けていない。……ここであえていう必要のないことであるのでセラフィーナは口を閉ざしたままだが。

「このままでは、我々の血が途絶える。だから外に出るべきだと」
「外、とは?」
「この魔王城の外、ですよ」
「人間の世界?」
「そうです」

 セラフィーナはミカルの言葉に言い知れぬ不快感を覚えて眉をひそめた。

「でも、純血を守るのも重要」
「守ったところでなんになるというのですか」

 なんになるのかと聞かれても、セラフィーナは答えを持ち合わせていない。

「我々魔族は魔王を頂点とし、この魔王城でひっそりと生きてきた。そのせいで最近は子が出来にくく、人口は減っていく一方。それなのに、人間は……」
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