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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第29章 【第二十九話】建国祭
セラフィーナが思っている以上に事は大きいようだ。
「では、飛ぶぞ」
ルードヴィグにそう言われ、セラフィーナの視界は一瞬後、変わった。
目の前には見慣れない赤いレンガ。
「ちょっとズレたか?」
セラフィーナは森の奥にずっといたため、ミスオンの街は知らない。王城は少し覚えているが、六歳までしかいなかったし、セラフィーナが移動できた場所は限られていたのでほぼ知らないと言っても問題ない。
「こっちだな。セラ、行くぞ」
「ん」
指を絡めた解きにくい手の繋ぎ方をされ、ルードヴィグは歩き出した。
「ルード」
「どうした?」
「髪の毛」
魔王城にいるときに気がつけばよかったのだが、セラフィーナはミスオンに到着してからルードヴィグの黒髪が隠れていないことに気がついた。
「認識阻害の魔法が掛かっている」
「ん」
「セラの髪の毛には掛かってないから、帽子を取るな」
「ん」
セラフィーナの白金の髪の毛は珍しい。だから魔法で認識阻害をしようとしたのだが、なぜか弾かれたため、帽子を被せて隠すことにした。
「少し歩いて移動しよう」
「ん」
ルードヴィグとセラフィーナはゆっくりと路地から出て、王城へと向かった。王城に近づくにつれ、人が増えてくる。
人ごみに慣れないセラフィーナはルードヴィグにしがみつき、おどおどしていた。
ルードヴィグはセラフィーナを庇いながら歩き、二人はどうにか城門にたどり着いた。
城門の前はかなりの人でいっぱいだったが、城に潜り込んでいる魔族の手引きによって中へどうにか入り込むことが出来た。
国王と妃の顔見せは三度ほどあるという。すでに一回目は終わっていて、二回目がもう少しで行われるらしい。
バルコニーのある広間には所狭しと人があふれていた。
派手好きな妃は三回とも違う衣装で現れる予定になっていて、三回とも見ようとする人たちもいるほどだ。
「無駄」
「そうだな」
セラフィーナの辛辣な言葉に、ルードヴィグも首肯した。
「せっかくだから、三回目に来た方がよかったか?」
「ん?」
「では、飛ぶぞ」
ルードヴィグにそう言われ、セラフィーナの視界は一瞬後、変わった。
目の前には見慣れない赤いレンガ。
「ちょっとズレたか?」
セラフィーナは森の奥にずっといたため、ミスオンの街は知らない。王城は少し覚えているが、六歳までしかいなかったし、セラフィーナが移動できた場所は限られていたのでほぼ知らないと言っても問題ない。
「こっちだな。セラ、行くぞ」
「ん」
指を絡めた解きにくい手の繋ぎ方をされ、ルードヴィグは歩き出した。
「ルード」
「どうした?」
「髪の毛」
魔王城にいるときに気がつけばよかったのだが、セラフィーナはミスオンに到着してからルードヴィグの黒髪が隠れていないことに気がついた。
「認識阻害の魔法が掛かっている」
「ん」
「セラの髪の毛には掛かってないから、帽子を取るな」
「ん」
セラフィーナの白金の髪の毛は珍しい。だから魔法で認識阻害をしようとしたのだが、なぜか弾かれたため、帽子を被せて隠すことにした。
「少し歩いて移動しよう」
「ん」
ルードヴィグとセラフィーナはゆっくりと路地から出て、王城へと向かった。王城に近づくにつれ、人が増えてくる。
人ごみに慣れないセラフィーナはルードヴィグにしがみつき、おどおどしていた。
ルードヴィグはセラフィーナを庇いながら歩き、二人はどうにか城門にたどり着いた。
城門の前はかなりの人でいっぱいだったが、城に潜り込んでいる魔族の手引きによって中へどうにか入り込むことが出来た。
国王と妃の顔見せは三度ほどあるという。すでに一回目は終わっていて、二回目がもう少しで行われるらしい。
バルコニーのある広間には所狭しと人があふれていた。
派手好きな妃は三回とも違う衣装で現れる予定になっていて、三回とも見ようとする人たちもいるほどだ。
「無駄」
「そうだな」
セラフィーナの辛辣な言葉に、ルードヴィグも首肯した。
「せっかくだから、三回目に来た方がよかったか?」
「ん?」