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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第3章 【第三話】破瓜の痛みと幸せと
 ルードヴィグの指はセラフィーナの蜜口に宛がわれ、もう少しで入るところだった。

「ねぇ、これって、子作りのための……そのっ」
「違う、【食事】だ」
「え、違うの?」
「そうだ。今、俺は【食事】をしている」
「そうなの?」

 セラフィーナは不思議そうな表情をしていたが、ルードヴィグの指が蜜口に飲み込まれると、艶やかな声を上げ始めた。

「ぁぁ、苦しい……っ」
「解れるまで少し待て」

 ルードヴィグの言うとおりに、しばらくすると苦しさが少し和らいできた。

 ルードヴィグは食事だと言っていたけれど、と油断すると快楽の海に投げ出されそうなセラフィーナはぼんやりと考える。
 これってどう考えても食事だとは思えない。
 だって食事とは、パンや野菜、肉に魚を食べることで、この今されている行為が食事だなんて、それはすごくおかしい。

「ルードっ」
「ずいぶんといい感じに解れたな。これで俺を問題なく受け入れられるだろう」
「ちょ、ちょっと待って! ね、ルード、これって」
「極上の【食事】だ」

 そう言うと、ルードヴィグはセラフィーナの口を塞いだ。
 セラフィーナはルードヴィグがするがままに、口内に舌を受け入れる。そして、すり合わせたり、絡めたり、たどたどしくもルードヴィグの舌の動きに合わせていく。

「んっ」

 ルードヴィグはセラフィーナがとろとろに蕩けるまで口づけをした。

「んんっ、ルードぉ」

 セラフィーナの口からは甘ったるい声が聞こえてきた。

「なんか、変なの」
「どうおかしいんだ?」

 ルードヴィグは面白そうにセラフィーナの瞳を覗き込んだ。
 セラフィーナの紫の瞳は潤んでいて、いい感じで食べごろになっていた。

「んっ、欲しいの」
「っ!」
「ねぇ、ルード。なにか分からないけど、欲しいの」

 まさかおねだりをされると思っていなかったルードヴィグは、セラフィーナのその一言に目を見開いた。

「欲しいのか?」
「うん、お腹の奥がずくずく疼いて、欲しいって言ってるの」
「セラも食事だな」
「ん? 確かにまだ、朝ご飯は食べてないけど……」

 セラフィーナの言葉に、ルードヴィグは笑った。
 それを見たセラフィーナは、一瞬で心を奪われた。

「ルード……」
「なんだ?」
「私、あなたのこと、好き、だわ」
「なっ?」
「うん、これは好きっていう感情だわ」
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