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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第30章 【第三十話】仕組まれた事故
いつまでも手を離さないセラフィーナに、ルードヴィグは苦笑する。
「ずっと手を繋いでおくのか?」
「ん」
「俺はいいんだが、セラが困らないか?」
「私は困らない。ルード、困る?」
「いや」
今日一日は建国祭のための予定になっているため、寝る時間まで用事はない。
ずっと手を繋いでいても問題はなかったが、セラフィーナの気持ちが分からず、ルードヴィグはそれで困っていた。
怒っているのか、困っているのか、悲しんでいるのか。
セラフィーナの表情だけを見ていても、分からない。
それとも、セラフィーナは両親の死に対してどういう反応をすればいいのか分からなくて戸惑っているのか。
「ルードの両親が目の前で死んだら、どうする?」
セラフィーナの質問に、ルードヴィグはしばらく考えて口を開いた。
「さすがに悲しいな」
「普通は、そう思うよね」
セラフィーナはルードヴィグの手を握り直すと、視線を伏せたまま続けた。
「今、すごく清々しいの」
「セラ?」
「あの二人が死んで、嬉しいって思ってる自分がいるの!」
セラフィーナはルードヴィグの手をきつく握りしめた。
「私を森の奥に追いやった二人がようやく死んでくれた。これで私は自由なんだって、すごく喜んでるの。両親が目の前で死んだのにもかかわらず、そんなことを思ってしまってる。最低だと思うけど、私はすごく嬉しい」
「セラフィーナ」
「二人が死んでも、全然悲しくない。私の心は人間としておかしいの」
「そんなことはない」
「でも!」
「おかしいのはあの二人だ。セラフィーナはおかしくない」
「私は結局、間接的に自分の両親を殺した。親殺しなのよ」
「手を下したのは俺だ。セラフィーナは俺を責めるか? 蔑むか?」
「ずっと手を繋いでおくのか?」
「ん」
「俺はいいんだが、セラが困らないか?」
「私は困らない。ルード、困る?」
「いや」
今日一日は建国祭のための予定になっているため、寝る時間まで用事はない。
ずっと手を繋いでいても問題はなかったが、セラフィーナの気持ちが分からず、ルードヴィグはそれで困っていた。
怒っているのか、困っているのか、悲しんでいるのか。
セラフィーナの表情だけを見ていても、分からない。
それとも、セラフィーナは両親の死に対してどういう反応をすればいいのか分からなくて戸惑っているのか。
「ルードの両親が目の前で死んだら、どうする?」
セラフィーナの質問に、ルードヴィグはしばらく考えて口を開いた。
「さすがに悲しいな」
「普通は、そう思うよね」
セラフィーナはルードヴィグの手を握り直すと、視線を伏せたまま続けた。
「今、すごく清々しいの」
「セラ?」
「あの二人が死んで、嬉しいって思ってる自分がいるの!」
セラフィーナはルードヴィグの手をきつく握りしめた。
「私を森の奥に追いやった二人がようやく死んでくれた。これで私は自由なんだって、すごく喜んでるの。両親が目の前で死んだのにもかかわらず、そんなことを思ってしまってる。最低だと思うけど、私はすごく嬉しい」
「セラフィーナ」
「二人が死んでも、全然悲しくない。私の心は人間としておかしいの」
「そんなことはない」
「でも!」
「おかしいのはあの二人だ。セラフィーナはおかしくない」
「私は結局、間接的に自分の両親を殺した。親殺しなのよ」
「手を下したのは俺だ。セラフィーナは俺を責めるか? 蔑むか?」