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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第31章 【第三十一話】魔女の仕業

ルードヴィグの言葉に、アーベルは苦笑した。
この人はきっと、動かない。
「そして、セラさまの兄上であるケヴィンですが」
「なにか動きがあったのか?」
「はい。ヴィクトルがケヴィンを煽り、次期国王に名乗りをあげたようです」
「ほう」
「ただし、こちらの支持者は有象無象。王宮内では消極的とはいえ、ケヴィン支持者が増えています」
「ケヴィンとやらは使えそうか?」
「ヴィクトル次第です」
「要らぬ野心を持たなければいいが」
「それは、どちらが?」
「どちらもだ」
ルードヴィグにしてみれば、ケヴィン一人が野望を持ったところでそれほど脅威にはならないと思っている。
しかし、ヴィクトルは危険だと認識している。
「ケヴィンですが、すっかりヴィクトルに依存してしまっているようです」
「まぁ、予想どおりだな」
そうなると、ますます恐ろしいのはヴィクトルの存在だ。
しかし現状では、ヴィクトルを信じて任せることしかできない。
「ヴィクトルに見張りを付けますか?」
「いや、必要ない。信じて任せる」
「あなたは為政者には向きませんね」
「そんなこと、俺自身が一番知っている」
だから、危なっかしくて目が離せないんですけど。と、アーベルは独りごちる。
「とりあえずだ」
「はい」
「ケヴィンをなにがなんでも国王にしろ」
「はい」
「ヴィクトルには引き続き、ケヴィンの裏で魔族に都合が良くなるように操らせるように」
「野心を持った時は?」
「魔王の地位などくれてやるよ」
「あなたはともかく、セラさまが危なくなったら?」
「その時はセラを護るために戦う」
「かしこまりました。ヴィクトルにはその旨、伝えておきます」
「命が惜しければ、俺を狙え」
「魔族にはそんな馬鹿はいないと思いますけどね」
アーベルは苦笑しながら頭を下げ、部屋から辞した。
ルードヴィグはアーベルがいなくなったことを確認して、大きくため息を吐いた。
この人はきっと、動かない。
「そして、セラさまの兄上であるケヴィンですが」
「なにか動きがあったのか?」
「はい。ヴィクトルがケヴィンを煽り、次期国王に名乗りをあげたようです」
「ほう」
「ただし、こちらの支持者は有象無象。王宮内では消極的とはいえ、ケヴィン支持者が増えています」
「ケヴィンとやらは使えそうか?」
「ヴィクトル次第です」
「要らぬ野心を持たなければいいが」
「それは、どちらが?」
「どちらもだ」
ルードヴィグにしてみれば、ケヴィン一人が野望を持ったところでそれほど脅威にはならないと思っている。
しかし、ヴィクトルは危険だと認識している。
「ケヴィンですが、すっかりヴィクトルに依存してしまっているようです」
「まぁ、予想どおりだな」
そうなると、ますます恐ろしいのはヴィクトルの存在だ。
しかし現状では、ヴィクトルを信じて任せることしかできない。
「ヴィクトルに見張りを付けますか?」
「いや、必要ない。信じて任せる」
「あなたは為政者には向きませんね」
「そんなこと、俺自身が一番知っている」
だから、危なっかしくて目が離せないんですけど。と、アーベルは独りごちる。
「とりあえずだ」
「はい」
「ケヴィンをなにがなんでも国王にしろ」
「はい」
「ヴィクトルには引き続き、ケヴィンの裏で魔族に都合が良くなるように操らせるように」
「野心を持った時は?」
「魔王の地位などくれてやるよ」
「あなたはともかく、セラさまが危なくなったら?」
「その時はセラを護るために戦う」
「かしこまりました。ヴィクトルにはその旨、伝えておきます」
「命が惜しければ、俺を狙え」
「魔族にはそんな馬鹿はいないと思いますけどね」
アーベルは苦笑しながら頭を下げ、部屋から辞した。
ルードヴィグはアーベルがいなくなったことを確認して、大きくため息を吐いた。

