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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第36章 三*結婚、しないよな?
 アリシアから抵抗があったが、腰を引き寄せると、大人しくなった。
 アーベルはアリシアにキスをしながらベッドに近寄り、押し倒した。

「アーベルさまっ!」
「誰かのモノになるのなら、私が奪う」
「止めて!」

 アリシアはアーベルから逃れようとしたが、肩を押さえ込まれ、動けない。
 しかも先ほどのキスですでに腰が砕けていた。

 アーベルはアリシアに抵抗されても止めなかった。
 アリシアが言うとおり、残念ながらアーベルの立場ならば選び放題ではあった。
 だけど今まで、この人という人に会うことなく、それなりに相性のいい相手と身体を重ねていた。
 アリシアとの出来事はいわば事故のようなもので、だけどそういうことがなければ絡むことのなかった相手でもある。

「アリシア」
「なんですか」
「結婚しよう」
「はぁ? アーベルさま、起きてます?」
「起きている。正気だ」
「別に今、蜜月ではないですよ?」
「分かっている」
「わたし、あなたのこと、嫌いですよ」
「……知っている」
「それなら、なぜ?」
「身体の相性が良すぎる。もう、アリシア以外では勃起しない」
「…………もげろ」

 アリシアもそう言いつつ、アーベルの言いたいことが分かっていた。
 アリシアもアーベル以外ではすでに感じない身体になっていたのだから。

「それはもげるほどやっていいということだな」
「曲解しすぎ!」
「孕むまでナカに出すとしよう」
「最低っ!」

 アーベルはアリシアの唇を塞ぎ、服のうえから少し淋しい胸を揉んだ。大きさは淋しいが、感度はよいらしく、すぐにアリシアから甘い吐息が吐き出され始めた。

「ぁぁぁ、んっ」
「感じてるのか?」
「ちがっ」
「嫌なのに感じちゃうってヤツか。興奮するな」
「ほんと、最低っ」

 アリシアにしてみれば、アーベルは遠い人で、自分と交わるとは思えなかった人だ。
 それに、仕事には厳しいくせに、女癖は悪く、アリシアが苦手とする部類であった。

「アリシアには早いと馬鹿にされたが」
「前戯もなにもなく突っ込んで腰を振ってぶっ放すだけじゃない」
「否定できないな。だが、アリシアにだけそうだ」
「それなら、余計に最低だわ」
「今ももう、突っ込むことしか考えてない」
「さっさと入れて、さっさと出してわたしを解放して」
「一度で済めばいいがな」
「え?」
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