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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第38章 二*イェリンの王子さま?

イェリンはその後、数日、強制的に休暇を取らされた。
休んでいる間の毎日、セラさまの訪問を受けた。
その度に謝られ、イェリンは困ってしまった。
そして、イェリンを襲った上級文官をはじめとした男たちは、解雇されたらしい。
魔族の間ではよくあることだったし、魔力の補充になればいいやとしか考えていないため、今回のことは異例ではあった。
それほど、セラさまの怒りはすごかったようだ。
さらに後から知ったのだが、セラさまと一緒にいた男性は、魔王さまだったようだ。
さすがの魔王さまでもセラさまの怒りは抑えられなかった。
休暇が明けて、職場に出勤すると、セラさまに呼ばれた。
「イェリンが戻ってきてくれて、よかったわ」
そう言って、セラさまは笑ってくれた。
イェリンは休暇中、考えていた。
今回のことは不幸ではあったけど、逆にいいこともあった。
イェリンが生涯を掛けて仕えたいと思える人が出来たことだ。もちろん、その人とはセラさまだ。
「セラさま」
「ん」
「わたし、一生を掛けて、セラさまに仕えます!」
「ん」
拒否されるかと思ったけれど、セラさまはイェリンの言葉が当たり前のように受け止めてくれた。
「イェリン」
「はい」
「あなたがだれと付き合っても私には止める権利はないけど、今回みたいなことはきちんと報告して」
「……はい」
セラさまが長い言葉を話すところを聞いたのは初めてかもしれない。
いつも「ん」とか、端的な言葉が多いような気がする。
だけどそういえば、イェリンを助けてくれたとき、かなり下品な言葉を叫んでいたような気がしないでもない。
「魔族の【食事】事情は知ってるけど、あれはないわ」
セラさまはしみじみとそう言って、イェリンを見た。
「ルードみたいにえり好みも困るけど、イェリンの節操なしも困るわね」
言われていることは間違いではない。イェリンとしては、言い返せなかった。
「ま、私にも魔力があるみたいだから、魔力の補給が必要で困ったなら、私に言ってちょうだい」
「え、セラさま、いいんですか?」
「ん」
休んでいる間の毎日、セラさまの訪問を受けた。
その度に謝られ、イェリンは困ってしまった。
そして、イェリンを襲った上級文官をはじめとした男たちは、解雇されたらしい。
魔族の間ではよくあることだったし、魔力の補充になればいいやとしか考えていないため、今回のことは異例ではあった。
それほど、セラさまの怒りはすごかったようだ。
さらに後から知ったのだが、セラさまと一緒にいた男性は、魔王さまだったようだ。
さすがの魔王さまでもセラさまの怒りは抑えられなかった。
休暇が明けて、職場に出勤すると、セラさまに呼ばれた。
「イェリンが戻ってきてくれて、よかったわ」
そう言って、セラさまは笑ってくれた。
イェリンは休暇中、考えていた。
今回のことは不幸ではあったけど、逆にいいこともあった。
イェリンが生涯を掛けて仕えたいと思える人が出来たことだ。もちろん、その人とはセラさまだ。
「セラさま」
「ん」
「わたし、一生を掛けて、セラさまに仕えます!」
「ん」
拒否されるかと思ったけれど、セラさまはイェリンの言葉が当たり前のように受け止めてくれた。
「イェリン」
「はい」
「あなたがだれと付き合っても私には止める権利はないけど、今回みたいなことはきちんと報告して」
「……はい」
セラさまが長い言葉を話すところを聞いたのは初めてかもしれない。
いつも「ん」とか、端的な言葉が多いような気がする。
だけどそういえば、イェリンを助けてくれたとき、かなり下品な言葉を叫んでいたような気がしないでもない。
「魔族の【食事】事情は知ってるけど、あれはないわ」
セラさまはしみじみとそう言って、イェリンを見た。
「ルードみたいにえり好みも困るけど、イェリンの節操なしも困るわね」
言われていることは間違いではない。イェリンとしては、言い返せなかった。
「ま、私にも魔力があるみたいだから、魔力の補給が必要で困ったなら、私に言ってちょうだい」
「え、セラさま、いいんですか?」
「ん」

