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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第40章 二*交尾を知らない……だと?
これは明らかになにかがおかしい。
そう感じたヴィクトルは、事情を知っていそうな年かさの家臣を無理矢理捕まえた。
「話してください」
「な、なにをっ!」
「ここ数ヶ月、殿下を見ていましたが、女性を閨に呼ぶどころか、手淫のひとつもなさらない。それに、どうにもそういった教育がなされた形跡がない。王族の義務は子孫を残すこととおれは認識してますが、おかしくないですか」
直球で聞かれてしまい、年かさの家臣は慌てた。
それから周りを見回して、だれもいないことを確認してから口を開いた。
「仕方がないのだ」
「仕方がない?」
「殿下のアレは……妹君に切られたのだから」
「……は?」
ケヴィンには妹がいるとヴィクトルも認識している。
そしてその妹は、魔族の長である魔王の伴侶になったらしいことも、合わせて知ってはいた。
まさかその姫が? それともヴィクトルが認識していない妹が他にいる?
いや待て、そもそもアレとは男性の大切なアレだろう。アレを切られるとか、いや、そもそもアレを切るとか、一体全体、どうなっているのか。
ヴィクトルの混乱をよそに、年かさの家臣は淡々と続ける。
「殿下は昔はまともだったのです」
年かさの家臣は密かに上司であるケヴィンの悪態を吐いた。
ここ数ヶ月の様子を見ていて、ヴィクトルも思うことはあった。昔を知るこの人は、もっと思うことがあるのだろう。
「人並みに野心も持っていました」
野心を持っているケヴィンのことが想像できなかったが、ヴィクトルはうなずいて先を促した。
「おかしくなったのは、セラフィーナさまが産まれてからです」
魔王さまの伴侶になった女性の名前も確か同じだったとヴィクトルは認識している。
その人がどう絡んでくる?
「セラフィーナさまがお産まれになる前までは、殿下の継承権は第二位でした」
ヴィクトルはあまり深く考えていなかったが、言われてみて初めて、そこに違和感を覚えた。
「それが……国王の実子ということで、セラフィーナさまが第二位になりまして……」
「いや、ちょっと待て。なんか色々とおかしくないか?」
「えぇ、おかしいですよ」
そう感じたヴィクトルは、事情を知っていそうな年かさの家臣を無理矢理捕まえた。
「話してください」
「な、なにをっ!」
「ここ数ヶ月、殿下を見ていましたが、女性を閨に呼ぶどころか、手淫のひとつもなさらない。それに、どうにもそういった教育がなされた形跡がない。王族の義務は子孫を残すこととおれは認識してますが、おかしくないですか」
直球で聞かれてしまい、年かさの家臣は慌てた。
それから周りを見回して、だれもいないことを確認してから口を開いた。
「仕方がないのだ」
「仕方がない?」
「殿下のアレは……妹君に切られたのだから」
「……は?」
ケヴィンには妹がいるとヴィクトルも認識している。
そしてその妹は、魔族の長である魔王の伴侶になったらしいことも、合わせて知ってはいた。
まさかその姫が? それともヴィクトルが認識していない妹が他にいる?
いや待て、そもそもアレとは男性の大切なアレだろう。アレを切られるとか、いや、そもそもアレを切るとか、一体全体、どうなっているのか。
ヴィクトルの混乱をよそに、年かさの家臣は淡々と続ける。
「殿下は昔はまともだったのです」
年かさの家臣は密かに上司であるケヴィンの悪態を吐いた。
ここ数ヶ月の様子を見ていて、ヴィクトルも思うことはあった。昔を知るこの人は、もっと思うことがあるのだろう。
「人並みに野心も持っていました」
野心を持っているケヴィンのことが想像できなかったが、ヴィクトルはうなずいて先を促した。
「おかしくなったのは、セラフィーナさまが産まれてからです」
魔王さまの伴侶になった女性の名前も確か同じだったとヴィクトルは認識している。
その人がどう絡んでくる?
「セラフィーナさまがお産まれになる前までは、殿下の継承権は第二位でした」
ヴィクトルはあまり深く考えていなかったが、言われてみて初めて、そこに違和感を覚えた。
「それが……国王の実子ということで、セラフィーナさまが第二位になりまして……」
「いや、ちょっと待て。なんか色々とおかしくないか?」
「えぇ、おかしいですよ」