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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第41章 三*ケヴィンの自業自得な過去
ヴィクトルは、興味を持ってしまった少し前の自分を殴りたくなった。
聞きたくなかった。
そんな男として辛くて恐ろしい体験、人づてでも聞きたくなかった。
「殿下は長い間、ベッドから起き上がれず……ようやく動けるようになったときにはもうあのように……」
「不抜けていた、と」
そりゃあ、それだけのトラウマ体験をすればそうなるだろう。
「殿下のアレは使い物にならなく、子どもを持つことは現在の医学では絶望的と判断されまして……」
「だからそういった教育はしていないと?」
「はい」
だから余計に幼く感じるのかもしれない。
ヴィクトルは一通り聞き終え、ぐったりしていた。
とはいえ、今の状況であればケヴィンに子が出来なくてもなにも問題ない。
それにあれはあれで面白い。
だからヴィクトルはこれまでどおり、なにくわぬ顔をしてケヴィンの側にいたのだが。
まさかの出来事に、ヴィクトルは沼にはまって抜け出せなくなっていたことをいやでも知ることになった。
「は? 陛下と王妃が事故死?」
それは、建国祭が行われているはずの昼間にもたらされた。
まさかの訃報に、ヴィクトルは目が点になった。
そして次に思ったのは、不抜けた振りをして実はずっと周りを欺き続けたケヴィンが真の姿を現したのか、だった。
いや、それはない、とヴィクトルはすぐに首を振った。
ケヴィンを何年かずっと見ているが、ケヴィンは今の生活に満足しているようで、満ち足りた笑みを浮かべてぼんやりしていることが多いのだ。
そんな人物がヴィクトルにバレないように裏で策略を巡らしたとは思えず。
ヴィクトルはケヴィンが王になると思って側で観察をしていたわけではない。
ケヴィンの不抜けっぷりを愛でていたのだから。
それに、ケヴィンの魔力は鬱屈していてひねていて、ヴィクトルにはとても美味しいと感じていた。
そうでなければこんなにも長く人間の振りをしてケヴィンの側に仕えない。
聞きたくなかった。
そんな男として辛くて恐ろしい体験、人づてでも聞きたくなかった。
「殿下は長い間、ベッドから起き上がれず……ようやく動けるようになったときにはもうあのように……」
「不抜けていた、と」
そりゃあ、それだけのトラウマ体験をすればそうなるだろう。
「殿下のアレは使い物にならなく、子どもを持つことは現在の医学では絶望的と判断されまして……」
「だからそういった教育はしていないと?」
「はい」
だから余計に幼く感じるのかもしれない。
ヴィクトルは一通り聞き終え、ぐったりしていた。
とはいえ、今の状況であればケヴィンに子が出来なくてもなにも問題ない。
それにあれはあれで面白い。
だからヴィクトルはこれまでどおり、なにくわぬ顔をしてケヴィンの側にいたのだが。
まさかの出来事に、ヴィクトルは沼にはまって抜け出せなくなっていたことをいやでも知ることになった。
「は? 陛下と王妃が事故死?」
それは、建国祭が行われているはずの昼間にもたらされた。
まさかの訃報に、ヴィクトルは目が点になった。
そして次に思ったのは、不抜けた振りをして実はずっと周りを欺き続けたケヴィンが真の姿を現したのか、だった。
いや、それはない、とヴィクトルはすぐに首を振った。
ケヴィンを何年かずっと見ているが、ケヴィンは今の生活に満足しているようで、満ち足りた笑みを浮かべてぼんやりしていることが多いのだ。
そんな人物がヴィクトルにバレないように裏で策略を巡らしたとは思えず。
ヴィクトルはケヴィンが王になると思って側で観察をしていたわけではない。
ケヴィンの不抜けっぷりを愛でていたのだから。
それに、ケヴィンの魔力は鬱屈していてひねていて、ヴィクトルにはとても美味しいと感じていた。
そうでなければこんなにも長く人間の振りをしてケヴィンの側に仕えない。