この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第41章 三*ケヴィンの自業自得な過去
だが、とヴィクトルは思い直す。
国王と王妃が死んだからなんだ。彼らには皇子がいるではないか。ケヴィンは第三位だ、万が一があっても回ってこない。
とはいえ、そろそろ潮時なのかもしれない。
そんなことを思っていると、ケヴィンから呼ばれた。
嫌な予感しかしないが、とんずらするわけにもいかないのでケヴィンの元へと行った。
そこにいたのは、いつもの不抜けたケヴィンではなく、今まで見たことのないキリッとしたケヴィンだった。
ますます嫌な予感は加速する。
「母が事故で亡くなった」
「お悔やみを申し上げます」
「そしてね、本来なら義兄上が国王になるところなんだけど」
ケヴィンはそこで切り、ヴィクトルを伺うような視線を向けてきた。
「その義兄なんだけど、数日前に病死していたんだよ」
「……は?」
継承権第二位のセラフィーナさまは魔王さまと結婚していて……。なによりもセラフィーナさまが王位を拒否しているという。
となると?
「僕は王になるよ。ヴィクトル、支えてくれるよね?」
いやいやいやいや。
ちょっとちょっと! 待って、待って!
あんたじゃ無理だし!
昔は野心を持っていたらしいけど、今はもうないんでしょう?
じゃあ、素直に他の人に譲ろうよ!
そんなことをヴィクトルは思うのだが、口を突いて出たのは違う言葉。
「はい、喜んで」
おれ、違うだろう! と心の中で叫ぶけど、口から出てしまった言葉はもう取り返せない。
「うん、さすがはヴィクトル。心強いよ」
おれはいつ、こんなに捨て鉢で破滅願望を持ってしまったんだ?
詰んだ、終わった。
そんなことを思うが、ケヴィンからは今まで感じたことのないほどの濃厚で美味しい魔力を感じてしまい……。
うん、そうだ、きっとあの魔力に酔わされてしまったに違いない。
とヴィクトルは自分に言い訳をした。
国王と王妃が死んだからなんだ。彼らには皇子がいるではないか。ケヴィンは第三位だ、万が一があっても回ってこない。
とはいえ、そろそろ潮時なのかもしれない。
そんなことを思っていると、ケヴィンから呼ばれた。
嫌な予感しかしないが、とんずらするわけにもいかないのでケヴィンの元へと行った。
そこにいたのは、いつもの不抜けたケヴィンではなく、今まで見たことのないキリッとしたケヴィンだった。
ますます嫌な予感は加速する。
「母が事故で亡くなった」
「お悔やみを申し上げます」
「そしてね、本来なら義兄上が国王になるところなんだけど」
ケヴィンはそこで切り、ヴィクトルを伺うような視線を向けてきた。
「その義兄なんだけど、数日前に病死していたんだよ」
「……は?」
継承権第二位のセラフィーナさまは魔王さまと結婚していて……。なによりもセラフィーナさまが王位を拒否しているという。
となると?
「僕は王になるよ。ヴィクトル、支えてくれるよね?」
いやいやいやいや。
ちょっとちょっと! 待って、待って!
あんたじゃ無理だし!
昔は野心を持っていたらしいけど、今はもうないんでしょう?
じゃあ、素直に他の人に譲ろうよ!
そんなことをヴィクトルは思うのだが、口を突いて出たのは違う言葉。
「はい、喜んで」
おれ、違うだろう! と心の中で叫ぶけど、口から出てしまった言葉はもう取り返せない。
「うん、さすがはヴィクトル。心強いよ」
おれはいつ、こんなに捨て鉢で破滅願望を持ってしまったんだ?
詰んだ、終わった。
そんなことを思うが、ケヴィンからは今まで感じたことのないほどの濃厚で美味しい魔力を感じてしまい……。
うん、そうだ、きっとあの魔力に酔わされてしまったに違いない。
とヴィクトルは自分に言い訳をした。