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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第42章 四*アルベルティーナ
ヴィクトルだって男だ。
魔力補給も兼ねて、休みの日などに娼館にお世話になったこともある。
おかげで馴染みもできた。
……というのは今はどうでもよくて。
「あたし、ケヴィンからヴィクトルの話を聞いたとき、絶対この人だって決めていたの!」
「うむ」
「……いや、ちょっと待て。おまえたち、どうやって連絡を取り合っていた?」
「ん? テレパシーだよ?」
アルベルティーナはさも当たり前のようにそう口にした。
「テレパシー……だと?」
そういえば、とヴィクトルは思い返す。
ケヴィンはよく、ぼんやりしていた。だけど微量の魔力は感じ取っていた。
それが美味しいと思っていたけれど、もしかしてあれが?
「ははは……」
結局、ヴィクトルの部屋は壊れてしまったため、強制的にケヴィンの部屋に連れてこられたヴィクトル。
「いや、ちょっと待て。当たり前のように着いてきたけど、どうしてケヴィンの部屋なんだ」
「ん? それはねー、あたしの部屋はまだ準備ができてないから!」
「いや、おまえはどうでもいいんだ。どうしておれまで?」
すでにヴィクトルはケヴィンに仕えていない気分でいた。
見つからなければ今頃は魔王城にある自分の家に帰っていたはずだからだ。
だから敬語も、敬称もどうでもよくなっていて、素のヴィクトルが出ていた。
といっても普段の言動とあまり変わらないが。
「あはは、おまえだってー! すごーい、なんか新鮮!」
「ぼくのこともケヴィンだと!」
今のヴィクトルにはそんなことどうでもいいという気分だったが、二人は違ったようだ。
「ヴィクトル、あなたはあたしのこと、ティナって呼ぶ権利をあげるわ」
「いらん。おまえで充分だ」
不機嫌なヴィクトルに、アルベルティーナはけたけたと笑った。
「殿下とかしこまられるより、ケヴィンと呼ばれた方がいいな」
二人の反応は上々だ。
「それはともかく、ヴィクトル」
「なんだ」
「お兄さまも」
魔力補給も兼ねて、休みの日などに娼館にお世話になったこともある。
おかげで馴染みもできた。
……というのは今はどうでもよくて。
「あたし、ケヴィンからヴィクトルの話を聞いたとき、絶対この人だって決めていたの!」
「うむ」
「……いや、ちょっと待て。おまえたち、どうやって連絡を取り合っていた?」
「ん? テレパシーだよ?」
アルベルティーナはさも当たり前のようにそう口にした。
「テレパシー……だと?」
そういえば、とヴィクトルは思い返す。
ケヴィンはよく、ぼんやりしていた。だけど微量の魔力は感じ取っていた。
それが美味しいと思っていたけれど、もしかしてあれが?
「ははは……」
結局、ヴィクトルの部屋は壊れてしまったため、強制的にケヴィンの部屋に連れてこられたヴィクトル。
「いや、ちょっと待て。当たり前のように着いてきたけど、どうしてケヴィンの部屋なんだ」
「ん? それはねー、あたしの部屋はまだ準備ができてないから!」
「いや、おまえはどうでもいいんだ。どうしておれまで?」
すでにヴィクトルはケヴィンに仕えていない気分でいた。
見つからなければ今頃は魔王城にある自分の家に帰っていたはずだからだ。
だから敬語も、敬称もどうでもよくなっていて、素のヴィクトルが出ていた。
といっても普段の言動とあまり変わらないが。
「あはは、おまえだってー! すごーい、なんか新鮮!」
「ぼくのこともケヴィンだと!」
今のヴィクトルにはそんなことどうでもいいという気分だったが、二人は違ったようだ。
「ヴィクトル、あなたはあたしのこと、ティナって呼ぶ権利をあげるわ」
「いらん。おまえで充分だ」
不機嫌なヴィクトルに、アルベルティーナはけたけたと笑った。
「殿下とかしこまられるより、ケヴィンと呼ばれた方がいいな」
二人の反応は上々だ。
「それはともかく、ヴィクトル」
「なんだ」
「お兄さまも」