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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第6章 【第六話】宣言
なにがなんだか分からないまま、セラフィーナはルードヴィグに誘われ、広間の奥へと向かった。
階段を上ると、二つの椅子が用意されていた。
片方は黒のビロードの椅子。そしてもう一つは、白いビロードの椅子で、座面に白い布が置かれていた。
ルードヴィグはその白い布を手に取り、広げた。
それはきらきらと輝く、ベールだった。
「うわぁ、きれい」
セラフィーナの感嘆の声に、ルードヴィグは笑みを浮かべ、ベールをセラフィーナに被せた。
「え?」
「これはセラのために用意したものだ」
「私のために?」
「花嫁だからな」
ルードヴィグの言葉に、セラフィーナは嬉しそうに笑った。
「きちんとした婚儀は改めてするとして、だ」
「?」
ルードヴィグはセラフィーナのベールを調整すると、椅子の前に立ち、広間に集まった人たちに視線を向けた。
「これから俺は、セラと蜜月に入る」
ルードヴィグの一言に、広間全体がざわついた。
「反論のある者は?」
ルードヴィグの質問に、広間の中ほどにいた人物が手を上げた。
「陛下、その者はどう見ても人間に見えますが」
「そうだが、なにか問題があるか?」
「あるに決まってるではないですか!」
「人間が魔王の伴侶になど!」
「ここに俺の伴侶となる者はいなかったではないか」
ルードヴィグの一言に、場が静まりかえった。
「セラの後見人として、アリシアを指名する。アリシア」
ルードヴィグに名を呼ばれたアリシアは、広間の入口あたりにいた。
焦げ茶の長い髪に、緑の瞳。
「陛下、ここに」
「セラは見てのとおり、人間だ。人間の世界に詳しいおまえなら、後見人として、最適だろう」
「かしこまりました」
セラフィーナがなにがなにやら分からないうちに色んなことが決まっていく。
「蜜月は一月と言いたいところだが、それは無理だろうから、五日間とする」
特に口を開く者はいないようだった。
「セラは蜜月の後、正式な婚儀を経て、俺の伴侶になる。もしもそれを阻む者がいれば、俺は全力で迎え撃つ」
それと、とルードヴィグは続ける。
「セラに危害を加える者や、傷つける者がいれば、分かっているな?」
ルードヴィグは一拍置いた後、広間全体に響き渡る声で宣言した。
「魔族が滅びると思っておけ!」
階段を上ると、二つの椅子が用意されていた。
片方は黒のビロードの椅子。そしてもう一つは、白いビロードの椅子で、座面に白い布が置かれていた。
ルードヴィグはその白い布を手に取り、広げた。
それはきらきらと輝く、ベールだった。
「うわぁ、きれい」
セラフィーナの感嘆の声に、ルードヴィグは笑みを浮かべ、ベールをセラフィーナに被せた。
「え?」
「これはセラのために用意したものだ」
「私のために?」
「花嫁だからな」
ルードヴィグの言葉に、セラフィーナは嬉しそうに笑った。
「きちんとした婚儀は改めてするとして、だ」
「?」
ルードヴィグはセラフィーナのベールを調整すると、椅子の前に立ち、広間に集まった人たちに視線を向けた。
「これから俺は、セラと蜜月に入る」
ルードヴィグの一言に、広間全体がざわついた。
「反論のある者は?」
ルードヴィグの質問に、広間の中ほどにいた人物が手を上げた。
「陛下、その者はどう見ても人間に見えますが」
「そうだが、なにか問題があるか?」
「あるに決まってるではないですか!」
「人間が魔王の伴侶になど!」
「ここに俺の伴侶となる者はいなかったではないか」
ルードヴィグの一言に、場が静まりかえった。
「セラの後見人として、アリシアを指名する。アリシア」
ルードヴィグに名を呼ばれたアリシアは、広間の入口あたりにいた。
焦げ茶の長い髪に、緑の瞳。
「陛下、ここに」
「セラは見てのとおり、人間だ。人間の世界に詳しいおまえなら、後見人として、最適だろう」
「かしこまりました」
セラフィーナがなにがなにやら分からないうちに色んなことが決まっていく。
「蜜月は一月と言いたいところだが、それは無理だろうから、五日間とする」
特に口を開く者はいないようだった。
「セラは蜜月の後、正式な婚儀を経て、俺の伴侶になる。もしもそれを阻む者がいれば、俺は全力で迎え撃つ」
それと、とルードヴィグは続ける。
「セラに危害を加える者や、傷つける者がいれば、分かっているな?」
ルードヴィグは一拍置いた後、広間全体に響き渡る声で宣言した。
「魔族が滅びると思っておけ!」