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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第9章 【第九話】淋しい気持ち
ルードヴィグがセラフィーナのナカから抜けていく。
「ゃ、ルード!」
「繋がったまま、隣の部屋に行くのか?」
それはさすがに出来ないことはセラフィーナにも分かったから、首を振った。
「心配しなくても、いくらでも入れてやる」
ルードヴィグはセラフィーナの髪の毛を撫で、それからため息を吐いた。
「セラの身体を考えないと、な」
「私は……!」
「セラが壊れたら、困る」
「大丈夫だから! もっと私を食べて!」
セラフィーナの必死な様子に、ルードヴィグは困った表情を浮かべた。
「セラ、気持ちはありがたい。だけど、セラが身体を壊したら、困るだろう?」
「あ……」
「美味しく食べられないと、俺も困る」
「……ん」
ようやくルードヴィグの意図を汲んだのか、セラフィーナは素直にうなずいた。
「ルードも食べる?」
「……あぁ、そうだな」
返事の間が少し気になったが、セラフィーナはルードヴィグと一緒に食べられることがうれしかった。
屋敷では、いつも一人だった。
食事は美味しかったけれど、味気なかった。
美味しい物を美味しいと共有できる人が欲しかった。
そこで初めて、セラフィーナは自分が淋しかったことに気がついた。
その感情に名前がついた途端。
セラフィーナの瞳から、涙があふれた。
「セラ?」
「ん」
返ってきた声は、明らかに潤んでいて、ルードヴィグは焦った。
そして、顔を覗き込もうとしたら、セラフィーナは顔を背けた。
「セラ、待て」
「ん」
「なんで泣いている?」
「……ん」
泣いていない、と言いたかったけれど、口にしたら涙が止まらなくなりそうで、セラフィーナはいつものように短く返すことしかできなかった。
そして、セラフィーナは甘えるということを知らなかった。
城にいたときからセラフィーナは両親に甘やかされることなく、離されてひっそりと暮らしていた。
森の屋敷に移ってきてからも、周りは使用人しかいなかった。
レンナントとエドヴァルドはセラフィーナを親身になって育ててくれたけれど、あの二人に甘えるのはなにか違っていたし、そしてなにより、環境が甘えさせてくれなかった。
「セラ」
「ゃ、ルード!」
「繋がったまま、隣の部屋に行くのか?」
それはさすがに出来ないことはセラフィーナにも分かったから、首を振った。
「心配しなくても、いくらでも入れてやる」
ルードヴィグはセラフィーナの髪の毛を撫で、それからため息を吐いた。
「セラの身体を考えないと、な」
「私は……!」
「セラが壊れたら、困る」
「大丈夫だから! もっと私を食べて!」
セラフィーナの必死な様子に、ルードヴィグは困った表情を浮かべた。
「セラ、気持ちはありがたい。だけど、セラが身体を壊したら、困るだろう?」
「あ……」
「美味しく食べられないと、俺も困る」
「……ん」
ようやくルードヴィグの意図を汲んだのか、セラフィーナは素直にうなずいた。
「ルードも食べる?」
「……あぁ、そうだな」
返事の間が少し気になったが、セラフィーナはルードヴィグと一緒に食べられることがうれしかった。
屋敷では、いつも一人だった。
食事は美味しかったけれど、味気なかった。
美味しい物を美味しいと共有できる人が欲しかった。
そこで初めて、セラフィーナは自分が淋しかったことに気がついた。
その感情に名前がついた途端。
セラフィーナの瞳から、涙があふれた。
「セラ?」
「ん」
返ってきた声は、明らかに潤んでいて、ルードヴィグは焦った。
そして、顔を覗き込もうとしたら、セラフィーナは顔を背けた。
「セラ、待て」
「ん」
「なんで泣いている?」
「……ん」
泣いていない、と言いたかったけれど、口にしたら涙が止まらなくなりそうで、セラフィーナはいつものように短く返すことしかできなかった。
そして、セラフィーナは甘えるということを知らなかった。
城にいたときからセラフィーナは両親に甘やかされることなく、離されてひっそりと暮らしていた。
森の屋敷に移ってきてからも、周りは使用人しかいなかった。
レンナントとエドヴァルドはセラフィーナを親身になって育ててくれたけれど、あの二人に甘えるのはなにか違っていたし、そしてなにより、環境が甘えさせてくれなかった。
「セラ」