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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第14章 【第十四話】婚姻の儀
聞き覚えのある声に顔を上げ、セラフィーナは二人に視線を向けた。
「レンナント、エドヴァルド」
「あなたは王位継承権を放棄して、そこの魔王とともに生きる道を選択するのですね」
「私、もう、ルードヴィグと結婚したのよ。それに、王位継承権なんてどうでもいいわ」
遅い時間ではあったが、これは長くなると感じたルードヴィグは、レンナントとエドヴァルドを席に誘った。
「おまえと同席するのは断る」
「レンナント!」
「セラフィーナさまは次期国王となられる方。それを誑かして……!」
「どういうことか説明してもらおう」
「説明もなにも、言ったままだ!」
けんか腰のレンナントに、エドヴァルドは首を振って口を開いた。
「魔王よ、セラフィーナさまが王家の姫であるという認識は?」
「あるぞ。だからこそ、道理を立てようとしたが、気が変わった」
「これがラートウトル王国との戦争の原因になるとしても?」
「そんなっ!」
セラフィーナは自分が王家にとって必要のない人間だと認識していたため、エドヴァルドの言葉に悲鳴を上げた。
「セラフィーナさまがどうお考えかは大体把握してますが、何度も申しましたように、あなたにはあなたの役割というものがあるのです」
「私はっ!」
「必要のない人間だと? そんなわけ、あるわけないじゃないですか。あなたは、王位継承権第二位のお立場にあると自覚していただきたい」
それに、とエドヴァルドは続ける。
「あなたの血は、大変貴重なのです。現国王の妹君の娘。しかもお父さまは──」
「言わないでっ!」
「──現国王」
「エドヴァルドっ!」
その事実は公然のものではあったが、ルードヴィグには知られたくなかった。
もちろん、セラフィーナも隠し通せるものとは思っていなかったし、いつかは話さなければならないことではあった。でも、やはり知られたくないことで……。
それなのに、今日という日に話さなくても……と、セラフィーナは恨めしい視線をエドヴァルドに向けた。
「なるほど」
ルードヴィグはどうしてセラフィーナがあれほど自分を卑下するのかが分かった。
「問題ない」
「レンナント、エドヴァルド」
「あなたは王位継承権を放棄して、そこの魔王とともに生きる道を選択するのですね」
「私、もう、ルードヴィグと結婚したのよ。それに、王位継承権なんてどうでもいいわ」
遅い時間ではあったが、これは長くなると感じたルードヴィグは、レンナントとエドヴァルドを席に誘った。
「おまえと同席するのは断る」
「レンナント!」
「セラフィーナさまは次期国王となられる方。それを誑かして……!」
「どういうことか説明してもらおう」
「説明もなにも、言ったままだ!」
けんか腰のレンナントに、エドヴァルドは首を振って口を開いた。
「魔王よ、セラフィーナさまが王家の姫であるという認識は?」
「あるぞ。だからこそ、道理を立てようとしたが、気が変わった」
「これがラートウトル王国との戦争の原因になるとしても?」
「そんなっ!」
セラフィーナは自分が王家にとって必要のない人間だと認識していたため、エドヴァルドの言葉に悲鳴を上げた。
「セラフィーナさまがどうお考えかは大体把握してますが、何度も申しましたように、あなたにはあなたの役割というものがあるのです」
「私はっ!」
「必要のない人間だと? そんなわけ、あるわけないじゃないですか。あなたは、王位継承権第二位のお立場にあると自覚していただきたい」
それに、とエドヴァルドは続ける。
「あなたの血は、大変貴重なのです。現国王の妹君の娘。しかもお父さまは──」
「言わないでっ!」
「──現国王」
「エドヴァルドっ!」
その事実は公然のものではあったが、ルードヴィグには知られたくなかった。
もちろん、セラフィーナも隠し通せるものとは思っていなかったし、いつかは話さなければならないことではあった。でも、やはり知られたくないことで……。
それなのに、今日という日に話さなくても……と、セラフィーナは恨めしい視線をエドヴァルドに向けた。
「なるほど」
ルードヴィグはどうしてセラフィーナがあれほど自分を卑下するのかが分かった。
「問題ない」