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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第17章 【第十七話】順番
そもそも殺して取って代わろうとするのが分からない。
セラフィーナを殺せば、魔王の伴侶になれるとでも思ったのだろうか。
「昨日は言わなかったけれど」
セラフィーナは口角を上げ、ルードヴィグを見た。
「兄の父と現国王の妃が亡くなった順番」
「順番?」
「ん」
確かに昨日、その辺りの時系列はあやふやだった。
というよりてっきり、話の流れ的に、先にセラフィーナの兄の父が亡くなり、妃が後だと思っていた。
「妃が先に亡くなったの」
「ほう」
「それでね、あの人は気がついたの」
いや、そもそも、とセラフィーナは呟く。
「妃は身体が弱いって、本当だったのかしら」
「セラフィーナ?」
「色々と不自然な点が多いのよ」
現国王と亡くなった妃は政略結婚だったという。
「国王の妃よ? お互いが好き合って結ばれたのならともかく、政略結婚よ。選択肢がないのなら仕方がないけど、そうじゃないのに身体が弱い人を選ぶかしら?」
「まぁ……そうだな」
「それに、おかしな点も多いのよ」
セラフィーナは一度、口を閉じて、ルードヴィグを見た。
「妃が結婚するとき、身の回りの世話をする侍女は連れてこれなかったそうよ」
「ほう」
「そして、その侍女を用意したのは、まだ結婚前のあの人だったの」
「その情報はどこで?」
「公式の記録を見たの」
セラフィーナは城にいなかったが、城にある記録は手に入る物すべてに目は通していた。
「身体にいいからととあるお茶を毎日飲ませていたそうよ」
「そのお茶とは」
「それがなにか、ハッキリとは分からなかった。妃は明らかに体調を崩していった」
「ふむ」
「でも、奇跡的に子を授かって、無事に産まれたわ。それが皇子よ」
そして子を産んですぐに亡くなった。
「その頃、あの人は結婚していて、兄を産んだばかりだったの」
「セラフィーナ、確認だ。皇子が先に産まれたのか?」
「ん」
そこになにもおかしなところはない。
「どこかおかしいか?」
「ここまではおかしくないわ。おかしくなるのはここからよ」
セラフィーナを殺せば、魔王の伴侶になれるとでも思ったのだろうか。
「昨日は言わなかったけれど」
セラフィーナは口角を上げ、ルードヴィグを見た。
「兄の父と現国王の妃が亡くなった順番」
「順番?」
「ん」
確かに昨日、その辺りの時系列はあやふやだった。
というよりてっきり、話の流れ的に、先にセラフィーナの兄の父が亡くなり、妃が後だと思っていた。
「妃が先に亡くなったの」
「ほう」
「それでね、あの人は気がついたの」
いや、そもそも、とセラフィーナは呟く。
「妃は身体が弱いって、本当だったのかしら」
「セラフィーナ?」
「色々と不自然な点が多いのよ」
現国王と亡くなった妃は政略結婚だったという。
「国王の妃よ? お互いが好き合って結ばれたのならともかく、政略結婚よ。選択肢がないのなら仕方がないけど、そうじゃないのに身体が弱い人を選ぶかしら?」
「まぁ……そうだな」
「それに、おかしな点も多いのよ」
セラフィーナは一度、口を閉じて、ルードヴィグを見た。
「妃が結婚するとき、身の回りの世話をする侍女は連れてこれなかったそうよ」
「ほう」
「そして、その侍女を用意したのは、まだ結婚前のあの人だったの」
「その情報はどこで?」
「公式の記録を見たの」
セラフィーナは城にいなかったが、城にある記録は手に入る物すべてに目は通していた。
「身体にいいからととあるお茶を毎日飲ませていたそうよ」
「そのお茶とは」
「それがなにか、ハッキリとは分からなかった。妃は明らかに体調を崩していった」
「ふむ」
「でも、奇跡的に子を授かって、無事に産まれたわ。それが皇子よ」
そして子を産んですぐに亡くなった。
「その頃、あの人は結婚していて、兄を産んだばかりだったの」
「セラフィーナ、確認だ。皇子が先に産まれたのか?」
「ん」
そこになにもおかしなところはない。
「どこかおかしいか?」
「ここまではおかしくないわ。おかしくなるのはここからよ」