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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第18章 【第十八話】「殺す?」
 ルードヴィグの質問に、セラフィーナは「んー」と唸った後、首を捻りながら答えた。

「魔王さまのお食事係?」
「なぜ、疑問形」
「私、ルードの役に立ってる?」
「立ってる」
「厄介な身内がもれなくついてきてるけど、それでも?」
「まさかこれほどとは思わず」

 ルードヴィグの本音に、セラフィーナは苦笑した。

「殺す?」
「まさか! 魔族はそんな野蛮ではないぞ」
「でも、殺さないと、殺されるよ?」
「セラフィーナは殺せるのか?」
「んー」
「なぜそこで悩む」
「どうすれば自らの手を汚さずに殺せるのかと」
「……物騒だな」
「嫌でもあの人の血を引いてるから」

 セラフィーナのその言葉に、今度はルードヴィグが苦笑した。

「そこまで卑下するな」
「ん」
「しかし、セラフィーナは独特な感性を持ってるな」
「そう?」
「その不思議なところに惹かれる」

 ルードヴィグはセラフィーナを抱き寄せ、キスをした。

「今、まだ仕事中」
「キスも仕事のうちだ」
「お仕事でキスをするの?」
「いや、正当化しただけだ」

 ルードヴィグも変わっていると思ったけど、セラフィーナは口にしなかった。

「──でだ」
「ん」
「これからどうする?」
「んー」

 セラフィーナとしては、今までどおりそっとしておいてもらいたいというのが本音だ。
 もしも向こうが手を出してくるのならば──。

「殺す?」
「前置きもなく、いきなり物騒なことを呟くな」
「じゃあ、なにか良い考えでもある?」
「ない」

 きっぱりと言い放つルードヴィグに、セラフィーナは呆れた。

「向こうがなにを考えているのか分からないから、どう対処すればいいのか、正直なところ、分からない。それに、セラの母と決まったわけではあるまい」
「それなら」
「証拠を掴めとでも?」
「ん」
「またこのお姫さまは無理難題を要求してくる」
「出来ない?」

 セラフィーナも、それが難しいことくらい分かっている。
 今までに対処できていれば森の屋敷に引きこもることはなかっただろうし、今回のことだって問題が起こっていなかった可能性が高い。

「情報がなにぶん、不足している。判断を下せない」
「情報があれば、どうにか出来る?」
「状況によりけり、だな」
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