この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
虐め~差し出した妹が帰って来ない
第1章 秋月 健人編

「足りない分も返させるから、それと秘蔵映像とかイジメの動画とか画像は…スマホ折って壊したから、もう大丈夫だ」
バッグから2つ折りにされたスマホを3台出して、テーブルに置いた。ボクをイジメてた優吾ら3人のスマホだった。
スマホの無惨な姿を見て、恐怖を感じる。チラッと兄の腕を見ると太くて逞しい…5日間も胡桃を監禁した男、許せないって気持ちはあるけど…心は萎縮していた。 一緒に居るだけで威圧されてる様な気分になっていた。
「分かりました。虐めれた事は忘れます。でも、何故ボクと友達に?」
胡桃が関係してると思うけど、友達になるという意味が全く理解出来ない。胡桃の事を確認したいけど、それを知るのも怖く…男の丁寧な言葉を使うのが不気味に感じられる。
「それもちゃんと話すけど…喉が乾いたな。健人君ビール無いかな?お金は払うから」
「親が旅行中なので今は無いです。冷たい麦茶ならありますけど」
酔っ払ったら更に怖くなりそう。ビールは無かったけど、日本酒とかウイスキーはある、それは言わずに麦茶を勧めた。
「んーっ、おい優吾、コンビニで500のビール2本パシって来い、お釣りはやるから」と財布から2000円を取り出す
「パシってくるぜ、ゴチさんです」
1本300円位だからお釣りの方が多い、優吾は嬉しそうに言うと2000円を貰い、玄関に向かった。
「健人君は灰皿をお願いしてもいいかな?」
父さんは今はタバコは吸わなくなったけど、最近辞めたので灰皿は残ってるはず、部屋がタバコ臭くなるけど後で換気すれば誤魔化せる
「探してきます」
と答えてキッチンに向かった。
探していると居間から声がする、スマホで誰かと話してる感じだった。棚の奥に灰皿を見つけて居間に戻った。
テーブルに灰皿を置くと、「悪い、ありがとうな」と僕宛てに声を掛け、その後スマホに「よし、じゃあ降りてこい」と告げて電話を切った。兄はカバンからタバコを出して火を付けた。
男の最後の言葉に悪寒が走った…ゾワゾワする感覚
「健人君は、こっちに座ってくれ」と隣の座席をボスンと力強く叩く、その迫力に慌てて隣に座った。
そして、嫌な予感が…当たっていたと確信する
…階段から足音が響いて

