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虐め~差し出した妹が帰って来ない
第2章 秋月 胡桃編

居間に行くとキッチンで玲子さんが夕食の準備をしていた。
カレーの匂いが漂っている。
「おはよう、胡桃ちゃん。猛は明日から数日休むから、今日は此処に来れないって伝言頼まれたの。2人きりだけど許してね?」
「ごめんなさい、寝ちゃってました。猛さんの件了解です。玲子さんと2人きりの夜は初めてですね」
結局、お兄ちゃんは来なかった。
複雑な心境だけど、迎えに来ないと考えてどうするか考えなきゃと思う
夕飯を食べて、居間でテレビを見た。
平和な時間…でもお兄ちゃんから連絡が無くて寂しい。
「今日の胡桃ちゃんが1番元気が無いと思うのだけど…大丈夫?」
「…はい。大丈夫です…今日は期待半分諦め半分でしたので…来ない覚悟もしてました」
「そうね、私も胡桃ちゃんと同じ確率だったかも。明日以降の確率は…私の中ではゼロに近いかなぁ。 」
私の中でもゼロに近くて、寂しい。
水曜日まで待つのだろう…
優吾君が伝えた内容は、私が優吾君の兄猛さんに拉致され監禁中……犯され性奴隷にされてて、猛さんの友人達複数に犯されてる事だって有り得るのに……
「胡桃ちゃん、おいで!」
玲子さんが心配する眼差しで私を見て両手を広げた。私は無言で玲子さんの胸元に飛び込む、そして号泣した。
よしよし、と頭を撫でて貰いながらいっぱい泣いてスッキリする。
お兄ちゃんに期待するのはやめよう!
ずっとイジメられて、凄く心が傷んでいる。弱気になっていて行動する事が出来ないだけ! きっとそう、お兄ちゃんは悪くない。
うんうん。
玲子さんに慰めて貰い、脳内でお兄ちゃんを庇って楽になった。

