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恍惚なる治療[改訂版]
第7章 乱される身体
「今日はありがとうございました」
「いえ」
お互いシャワーを浴び終えて、柳川先生と駅まで向かう。
ショッピングモールで連れ立って歩いていた時は1人分幅があった距離も、今は肩が触れそうなぐらいに詰められている…
「そうだ、佐伯さんに大事なお話がありました。今後は病院での治療はやめて、今日みたいに外出して、人混みや女性に免疫を付けていく治療に変えていこうと思います。人の多い場所には僕と一緒に行ってもらって、佐伯さんお1人で外出される場合は、近場ですぐに帰宅出来る場所で慣らしていって下さい」
もう病院で身体を触られる事が無くなるのかと思うとホッとする…
2人きりの診察室でも、人が行き交う中だといつかバレる危険性があったからな…
「柳川先生に付き添ってもらう場合、診察料とかは…」
「それは要りませんよ。治療と言っても、実質デートみたいなものなので」
「デ…!?だから、俺達付き合ってないですって!」
「佐伯さんはそうでも、僕は付き合いたいと思ってます」
隣を向くと柳川先生と目が合い、口角を上げて挑発的に微笑んでくる。
「僕は本気ですよ。佐伯さんを僕の恋人にしたい…」
「そんなの…一時の気の迷いですよ。女性が好きなんでしょ?それなのに男に惚れるとか…」
「僕の持ってる感情が一時の気の迷いかどうか確かめてみますか?」