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恍惚なる治療[改訂版]
第8章 沼に溺れる
「ちゃんと好きなタイプがあるのに、どうして俺なんかにしたんですか…」
「佐伯さんの場合は一目惚れだったからなぁ…他にも好きになったポイントは色々ありましたよ、だから『俺なんか』なんて卑下しないで下さい」
とは言っても、素直な事以外男である俺に惚れるポイントなんて無いのに、柳川さんの気持ちを疑ってしまう。
「まだ僕の気持ちが信じられませんか?」
「いや、それは…」
「1か月会えない時間、毎日あなたの事を思ってました…今何をしてるのか、体調を崩してないか…とか」
俺の事をそこまで思ってくれている人は初めてかもしれない…
真っ直ぐ過ぎる気持ちに応えられずに目を逸らすと、柳川さんは小さく溜め息を吐いた。
「気持ちを確かめ合う為にまた僕と寝ますか?」
「なっ!?」
「セックスして僕の気持ちが本物だと感じられたら、付き合ってくれますか?」
道の往来で「セックス」というワードが出て、焦って周りを見渡す。
特に話を聞いている人が居ないようで安心したが、平気で卑猥なワードを口にする彼に呆れた…
「どうして付き合う事になるんですか…:」
「佐伯さんもまたシたいんじゃないですか?僕と付き合えば、佐伯さんが満足するまで愛して差し上げますよ」