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恍惚なる治療[改訂版]
第2章 最初の治療

今まで症状について誰にも話した事は無かったが、柳川先生に自然とは吐き出せた。
医師だからなのか、歳が近くて親身になってくれそうだったからか…

「気持ち悪くなった際、何か身体に変化は起こってないですか?」
「変化…?いやお腹の奥が特に気持ち悪くなって…股間が…」

女性に触れた際、性器が硬くなって大きくなってしまう…
看護師と接触した際、柳川先生の視線が股間に向けていたのは、反応して膨らんだソレが目に入ったからだろう…
検査に向かう際に、俺の身体を隠すようにしてくれたのは正直助かった。

「…ソコが反応した際、どうされてますか?」
「どうもしません…気持ち悪さと共に治まってくれるのを待つだけです…」
「何も…?性欲を発散したりとか…自慰行為とかは…」
「じいこうい…?」

聞き返すと、柳川先生は一瞬驚いたように眉を上げたが、すぐに元に戻した。

「自慰行為をご存知ないですか?ご自身でソコを触って射精する事ですが…」
「触っ…!そんな事しないです…!そんな汚れた行為…!ココが反応するだけでも気持ち悪いのに…!触るだなんて…!」

息が上がって苦しくなり、またお腹が苦しくなる…
女性相手に性欲を持つなんて、俺は気持ち悪いんだ…

柳川先生は俺の傍に来ると、頭を撫で始めた。

「佐伯さん、性欲を持つのは気持ち悪いものじゃないですよ。性欲は誰の中にもあります。佐伯さんも性欲を持っていてもおかしくないですよ」




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