この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恍惚なる治療[改訂版]
第8章 沼に溺れる
何だろう…約束されたらめちゃくちゃ嬉しくなる…
ドキドキして次の約束が早く来ないかと今から思うくらい…
これが友人として抱く感情なのだろうか…
デザートの杏仁豆腐を食べながら、先週柳川さんが一時帰国した友人との話を聞かせてくれた。
「友人はアメリカの総合病院で外科医として活躍してる凄腕の医師で、僕とは大学の同期です。彼はいつも勉強漬けの僕を気に掛けてくれて外に連れ出してくれました。彼が居なければ、僕は挫折して医師になれなかったかもしれないです…」
懐かしそうに話していると、少し顔を顰めてスプーンで杏仁豆腐を掬った。
「海外で活躍してる彼に比べたら、僕なんて足元にも及びません…」
「そんな事無いですよ。柳川さんを必要としてる患者さんは沢山居ますよ。現に俺の事を治療してくれてるのに…」
「ふっ、自分の気持ちを優先して、治療と称してあなたを好き勝手してるのに、それでも治療と言って下さるんですね…」
「そうじゃないですか?さっきの店員は女性だったけど、傍に寄られても変に意識しなかったし…」