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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在
言い終わらないうちから柳川さんの腕を強引に引っ張って、コーヒーショップへと向かった。
その場で待っていれば良かったのに、胸騒ぎがした俺は2人の後を尾行すると、店の手前の路地に入って行ってしまった。
路地を進むと、人の居ない行き止まりで柳川さんは壁に押しやられ、女性からのキスを拒んでいた。
死角から2人の様子を眺める…
「ねえキスしようよ…」
「やめて…それよりハンカチは…」
「そんなの無いに決まってるでしょ?理人くんを誘い出す為の口実」
「もういいかな?友人を待たせてるんだけど?」
「私より友達なの?ねえ、私達もう1度やり直さない?」
彼女はキスを諦めたのか、柳川さんの身体に寄り添おうとしたら、柳川さんに身体を引き離された。
「やり直すって…そもそも僕達恋人同士じゃなかっただろ?2カ月セフレの関係だっただけ。君に社長の恋人が出来たから、関係を解消したんだ。恋人でも無かったのに彼女面しないでくれないか?」
「彼女みたいなものじゃん?もう1度セフレになろう?彼ってお金はあるけど、エッチが淡白でつまんないの…エッチするなら、理人くんとしたくて…彼鈍感だから浮気しててもバレないんだよね」
「最低だな…」