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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在
2人のやり取りを見ていると、柳川さんは女性とセックス出来るんだと改めて感じさせられた。
俺とは違って柳川さんは女性を愛せるのなら、俺との関係が終わったら、また女性に向かうのだろう…
そうしたら俺は…
「セフレは無理。それに今は間に合ってるから君の相手はしないよ」
ー間に合ってるー
その言葉に頭を殴られたような衝撃が走った。
「そうだよな…」
女性を愛せるのに、男に勃起してたのは単なる興味と性欲を発散出来る相手が欲しかっただけ…
その手頃な相手が俺だったんだ…
やっぱり柳川さんにとって俺はセフレっていう関係だけだったのか…
フラフラと言い合いをしている2人の傍まで行くと、柳川さんの腕を思いっきり引っ張った。
「さ、佐伯さん!?どうしてここへ…」
「間に合ってるってどういう事ですか?俺とセックスしてるから間に合ってるって?経験の無い俺をからかって楽しかったですか?好きだと言って気分を良くしていたら身体を開く単純な男だと思ってるんですか?好意を自分の欲望を満たす為に振り撒いて、それに引っ掛かった相手なら男でも抱けるんですね…俺は……俺はあなたにとっての都合のいい存在じゃないんだよ…」