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恍惚なる治療[改訂版]
第2章 最初の治療
柳川先生に縋り付くと、先生は困惑しながらも口を開いた。
「いや、その方法が佐伯さんに合っているか分かりませんし、佐伯さんにとって辛い治療になるかと…」
「それでも良いです。今の状態から抜け出せるなら…もう、これ以上発作に振り回されるのは嫌なんです…これを機に治したい…」
今朝の満員電車でもそうだったが、発作は日常生活を送る上で支障をきたしている…
過去の出来事から抜け出す前にこの症状を少しでも軽減する方法があるなら、試す価値は十分にある。
「分かりました。佐伯さんが望むなら治療させてもらいます…その前に他の患者さんの診察に行って来ます。ここで水分を摂りながら、身体を休ませて下さい」
柳川先生が出て行くと、俺はベッドに寝転んで考える。
治療って何をするんだろう…
以前にも同じ症状で倒れた際に年配の医者に診てもらったが、特に身体の異常は見られなかったので、投薬治療で済ませられたが…
今回も同じだろうと思考しながら1時間経過すると、柳川先生が金属のトレーを手に入室した。