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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在
「どうだか…」と呟いて、何気なくテーブル席に目をやると…
「…!?」
男性2人組が抱き合ってキスをしているのを目撃してしまった。
仕切られてもない人の目がある中でキスするなんて…
よく見ると、店内には男性客しか居らず、皆2〜3人組で妖しい雰囲気を醸し出している…
ここは一体…
キョロキョロと辺りを見渡していると、隣から小さい笑い声が聞こえてきた。
「佐伯さん、挙動不審過ぎますよ」
「ここって普通のバー、ですよね?」
「ここはゲイバーという所です」
「ゲイバー…」
「カップルでお酒を飲んだり、出会いを求めたりする場所らしいですよ」
同性愛者達の憩いの場に俺達は異質な気がするが…
「俺達はゲイ…じゃないでしょ?柳川さんは女性を愛せるんだから…」
「そうですけど、今は佐伯さんに惚れていて、あなたに欲情して勃起もする…僕はあなた限定の同性愛者ですよ」
男しか居ない空間で大胆になったのか、柳川さんの手が俺の太腿に触れて、中心に向かって撫でられる…
振り解こうにも、身体に伝わるくすぐったさと、燻り始めた性欲に身体が硬直してしまった…
「そんな大っぴらに言わないで下さいよ…」
「ココはそういう場ですよ。人の目を気にする事も無く、あなたを口説ける…」