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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在
返答に窮していると、中心に近付いた手が大事な箇所に触れた。
身体をビクつかせると、柳川さんが口角を上げて囁く。
「佐伯さん、好きですよ…あなたが欲しくて堪らない…」
「…っ!すみません、トイレに…」
柳川さんを押し除け、トイレへと逃げてしまった…
俺はどうしたいんだ…
柳川さんを解放して、女性を愛せるようにしたいのか、それとも…
俺はもう1つの気持ちが膨らんでいるのに気付き、どうしたら良いのか迷った。
「はぁ…」
「りゅうちゃーん、遅いよ〜」
「えっ?」
トイレから出てくると、誰かと間違えている泥酔状態の客に絡まれた。
脇をすり抜けようとすると、腕を掴まれ、抱き締められた。
「ちょ…!?」
「早くホテル行こうよー。今日は沢山愛して欲しいなぁ…」
グイグイと股間を押し付けられ、突き飛ばそうとしても強い力で抱き締められているので、それが出来ない…
「やめ…っ!?」
乱暴にキスをされ、舌で唇を舐められると、柳川さんでは感じなかった嫌悪感が湧き上がる…
「んんっ!」
「りゅうちゃん、早くエッチした…」
すると、いきなり誰かの手が伸びてきて、客と引き離され、彼は尻餅を突いた。
俺の隣には柳川さんが立っており、見た事のない冷たい視線を客に送っていた。
「いって〜」
「何してるんですか?彼は僕のパートナーですよ」
「えっ、アレ?」