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第9章 都合のいい存在

押し黙っていると、柳川さんに名前を呼ばれて詰め寄られる…

「俺とずっと一緒に居る気ですか？」
「はい。佐伯さんがよろしければずっと…」

「もし子どもが欲しくなっても俺は男だから望めませんよ？親にも孫を見せてあげられませんよ？」
「孫なら既に兄と弟に子どもが居ますので。1番はあなたと一緒に居られるならそれで良い…」

「恋人が男だと知られたら、友人や仕事の同僚に面白半分に揶揄われたり、好奇の目で見られるかもしれないですよ？」
「佐伯さんが嫌なら、周りに言いふらしません。もし知られたとしても僕は気にしないし、好きな人を愛せるだけで十分です」

「もし柳川さんの要望で女性の相手をしろと言われても、俺は相手出来ませんよ？」
「何ですかその要望…あり得ませんよ。それに佐伯さんの感じる顔なんて他の人に見せるわけないでしょう…」

「あとは…」
「もう黙って…」