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恍惚なる治療[改訂版]
第10章 ただの口実
初めて身体を合わせた後に、そんな約束をしていたな…
「その事ですか?もう勝負は着いたじゃないですか?俺はあなたに落ちたんだから…」
「佐伯さん…」
「した後で弱気にならないで下さいよ。俺の事夢中にさせた癖に…もうセックスしたんだから…俺は…嫌じゃなかったですし…」
前回指でされた時はあれだけ怖かったのに、いざ挿入されると怖さはすぐ吹き飛び、蕩けるような快楽しかもたらされなかった。
解してくれたお陰だと思うし、何より柳川さんの気持ちが伝わってきたから…
「今めちゃくちゃ気持ちがフワフワしていて…幸せです…」
「佐伯さん…ありがとうございます…」
柳川さんは声を震わせ、俺の胸元に顔を埋めた。
「佐伯さんを好きになって良かった。僕を受け入れてくれてありがとう」
フワフワとした感覚は胸から身体中に伝わり、幸せな気持ちに浸りながら、柳川さんの頭を撫でていた。