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恍惚なる治療[改訂版]
第11章 晩夏の甘い思い出
淡い期待を持ちながらも、俺でも行けそうな祭りなんて思い浮かばないので、一緒に祭りを楽しむなど夢のまた夢だろう…
テレビを消してソファに寝転がると、ラインにメッセージが入った。
「柳川さんからだ」
時間を確認すると1時を過ぎた頃で、おそらく昼休憩中なのだろう。
[お仕事お疲れ様です。今週の日曜日の夜お時間ありますか?近所の神社でお祭りがあるんですけど、人に慣れる治療を兼ねて一緒に行きませんか?]
メッセージで誘われて、思わず俺は目を輝かせた。
同時に悶々と溜まっていた欲望が消え去り、嬉々として柳川さんに返信した。
[お誘いありがとうございます。柳川さんと一緒に行きます]
[嬉しいです。当日楽しみにしてますね]
[俺も嬉しいです。仕事頑張って下さい]
ラインを終えると、ワクワクした気持ちが沸々と湧き上がる。
当日雨が降らないかアプリで確認してしまう程、俺は久しぶりの祭りに疲れていた。
「そういえば…」
俺はある事を思い出し、クローゼットを覗いた。
「あったあった…」