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恍惚なる治療[改訂版]
第11章 晩夏の甘い思い出

背筋を伸ばして身体の幅を狭くして、女性との距離を保つ。
列を進む際も前と後ろに注意を図り、一歩ずつ慎重に進んだ。

「次の人、どのサイズにします?」
「中サイズ下さい…」

どうにか買えたが、カステラを買うだけでこんなに疲れる事あるか…

「アレ?柳川さんが居ない…」

柳川さんが待っていた場所に戻ると、柳川さんの姿が無い…
並んでる間にどこか行ったのか!?

「どこ行ったんだろ…」

連絡を取ろうと、携帯を取り出していると、隣を歩いていた女性と身体がぶつかった。

「あっ、すみません」
「…っ!い、いえ…」

ヤバい…胸の感触が…

「うっ…」

気持ち悪い…
どうしよう、勃って…
早く休める場所を見つけないと…

「………」

ーーーーーーー

「はぁ…」

鞄で股間を押さえ、人が居ない神社の境内の裏側に座り、気分を落ち着かせていた。
休んだお陰で、股間の膨らみと気持ち悪さは治まった。

柳川さんに気持ちが行っても、根本的な状態はまだ治らないか…

溜め息を吐いていると、携帯の画面が明るくなったのでホーム画面を見ると、柳川さんからメッセージが届いており、すぐにラインを開いて確認した。

[佐伯さん、今どちらにいらっしゃいますか?]

しまった…柳川さんに連絡するの忘れてた…

[連絡遅くなりました、すみません。神社の境内の裏側で休んでます]




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