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恍惚なる治療[改訂版]
第12章 熱に浮かされて

とりあえず佐伯さんを抱えて、側のベッドに寝かせると、体温計で測ると38度と出た。
僕は上着を脱いで、店で購入した物をリビングのテーブルに並べた。

「何か食べましょう。飲料ゼリーかおかゆ、どちらが食べられそうですか?」
「どっちも要らない…食欲無い…」
「少しでもお腹に入れないと。治るものも治りませんよ。余り風邪を甘く見てると重症化しますよ」
「じゃあ、ゼリー…」

佐伯さんの要望に応じ、飲料ゼリーと風邪薬を差し出す。
差し出されたゼリーをゆっくりと飲み込んでいく…

「………」

微かに聞こえた弱々しい声が可愛くて、思わずムラムラとしてしまった…
弱ってる恋人に対して欲情するなんて、僕は医師失格だ…

「ご馳走様でした…」
「薬も飲んで下さい」
「ありがとうございます。丁度切らしてたので」
「薬は常備しておかないと。今回のようになりますから…」
「はは、そうですね…出不精が仇になりました…」

食事を終えると「熱い…」と服を脱ぎ始めたので、完全に欲情する前に洗面所に逃げてタオルを湯で濡らす。

昨日セックスしなかったからか、服を脱いでる姿だけで勃ちそうになる…
佐伯さんの一挙一動に発情してたらキリが無い…
ここに来る前に1度抜いておけば良かった…



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