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恍惚なる治療[改訂版]
第12章 熱に浮かされて
平常心を取り戻してから部屋に戻ると、佐伯さんは下着だけでベッドに座っていた。
落ち着かせた気持ちは乱され、その綺麗な身体にむしゃぶり付きたい衝動に駆られそうになる…
「あ、汗かいて気持ち悪いでしょう?タオルで拭いて下さい…」
「拭いて…」
「えっ…」
「拭いて下さい…」
「……失礼します」
どうして、こんな日に限って甘えてくるんだ…
切れそうな理性を何とか繋ぎ止め、無心になって佐伯さんの背中を拭く。
「はぁ…」
吐く息が荒く、息苦しそうだ…
身体を拭いたら、着替えてもらってゆっくり休んでもらおう…
「佐伯さん、終わりましたよ。着替えて下さい」
「ありがとうございました…」
よろよろと立ち上がり、カラーボックスから着替えを取り出してそれを身に付ける。
ベッドに入ると、目蓋を閉じて深呼吸をする。
「あの…」
「はい?」
「こんな事言われたら迷惑かもしれませんけど…傍に居てくれませんか?」
普段はしっかりしている佐伯さんが僕を頼ってくれた…
ドキドキして、嬉しくなって頬が緩む。
「もちろんです!弱ってる佐伯さんを1人にしておけません」
「ありがとうございます…隣に来て下さい…」
僕もベッドに入って隣に寝ると、佐伯さんに抱き着かれる。
「……!」
可愛い…
どうしよう、安請け合いしたけど、これは生殺しだ…
隣では佐伯さんの寝息が聞こえ始め、悶々とした気持ちを抱えたまま、なかなか寝付けなかった…