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恍惚なる治療[改訂版]
第13章 俺に出来る事

「はぁ、まさか柳川さんの家に来ることになるとは…」

三雲さんから切り出されたのは、「早めに仲直りする為にお弁当を持ってお家に突撃しましょう」というアドバイスだった。

[先日はすみません。今日柳川さんのお宅に行ってもいいですか?]
[はい、大丈夫ですよ]

柳川さんからお邪魔する許可をもらい、アドバイス通りに柳川さんの帰宅時刻に間に合うように弁当を用意して、マンションの前で柳川さんの帰宅を待つが…

「今日に限って失敗してしまった…」

味は問題無いが、唐揚げは焦げるし、卵焼きも形がガタガタ。
不格好な弁当が出来てしまった…

完璧では無い弁当を見てると、不安な気持ちに押し潰される…

昨日の今日で冷静になって会ってくれるかどうか分からない…
会ってくれるのも本当は別れ話を切り出されるんじゃ…

不安が気持ちが腹部でグルグルと渦巻き、気持ち悪くなってきた…
ヤバい、吐きそう…

「佐伯さん…?」
「や、柳川さん…」

顔を上げると、目の前に微笑んだ柳川さんが居て、会ってくれた安心感から涙が出そうになった…



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