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恍惚なる治療[改訂版]
第15章 身体を重ねる
「すみません」
「いや、気遣ってくれるのは嬉しいけど、目立つのはちょっと…男同士で手繋ぐと目立つから…」
「本当に申し訳ない…」
「もういいですから」
繋がれた左手を微かに触りながら、柳川さんの顔をチラッと盗み見る。
照れてる顔も可愛い…
「何か見に行きますか?」
「じゃあ、ネクタイを見に行きたいな」
「ネクタイですか?良いですよ」
紳士服売り場に到着すると、俺はネクタイを物色する。
「珍しいですね。ネクタイを探してるなんて。近いうちにスーツ着られるんですか?」
「違いますよ。柳川さんに似合うネクタイをプレゼントしようと思って」
3本ネクタイをチョイスし、柳川さんの首元に当てて似合うか見繕う。
「どうしてプレゼントなんか…」
「今凄くお世話になってるから、少しでもお礼がしたくて…」
「別に気にしなくても良いんですよ」
「俺が嫌なんで…ああ、やっぱり青がよく似合う…」
「…ありがとうございます」
青の柄違いのネクタイを2本購入し、ラッピングしてもらい、それを柳川さんに手渡した。
「いつもありがとうございます」
「素敵なプレゼントありがとうございます。嬉しいな…毎日着けていきます」