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恍惚なる治療[改訂版]
第15章 身体を重ねる

昼食はオムライスの店で食べる事にした。

「そういえば、小説のドラマ化の話はどうなりました?」
「ああ…ドラマ化する方向で話が決まりました」

柳川さんは口が硬い人なので、ドラマ化の話を密かに打ち明けていた。
柳川さんはその話を聞いて喜んでくれて「映像化したら是非観たい」と話していた。

念の為言っておくと、柳川さんに話す前に俺の中ではドラマ化の許可を出すという結論が出ていたので、柳川さんの反応を見て結論を出したわけではない…

「佐伯さんの描いてる世界が映像となって多くの人に観てもらえるわけですね。僕もワクワクしてきました」
「いやいや、期待しないで下さいよ」
「『朝間』シリーズを読んでる1ファンとして期待しますよ。更に素晴らしい作品になりますよ。そこは自信持って下さい」

柳川さんはおだてるのも上手い…
オムライスを口に運びながら、頰が緩んでしまう。

「柳川さんが言うと大丈夫そうに聞こえてきたな…」
「そうですか?」
「恋人の発言力は凄いな…」



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