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恍惚なる治療[改訂版]
第3章 2回目の治療

恥ずかしい…29歳になって、中学生が経験しているであろう行為を済ませていないなんて…
情けなくて顔も上げられずにいると、温かい手が頰を撫でた。

「生まれてこの方、自慰行為をされた事が無いんですから、出来ないのは当然です。恥ずかしがる事じゃありません。気持ち悪くなったら、私がお手伝いさせてもらいますから」
「はい…!?」

頼もしい言葉だと思って聞いてたけど、よくよく思い返してみると、先週この人に触られて…!

「…!」

ヤバい、思い出しただけで緊張するし、全裸も恥ずかしい所も全部見られて…

「佐伯さん、治療の前にお話してもよろしいですか?」
「え、あ…はい…」.

俺だけ取り乱してカッコ悪い…
取り乱してるのを察知されたら、笑われるに決まってる…

「前回受けていただいた検査結果ですが、胃が荒れてる事以外は特に異常は見られませんでした。佐伯さんの発作については身体に原因が見られないので、心に原因があるんじゃないかと…」
「はぁ…」




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