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恍惚なる治療[改訂版]
第3章 2回目の治療
肩で息をする俺の身体を柔らかく撫でて「大丈夫」と声を掛けてくれた。
「嫌な記憶を思い出させてしまって、申し訳ありません…セックスというのは好き合う人同士で愛を確かめ合う行為でもありますが、ストレスや寂しさから身体を繋げて、快楽でそれを紛らわせる人も居ますよ。恐らく、お父様を早くに亡くされて、お母様も仕事のストレスや寂しさから他の男性に居場所を求めたのでしょう…」
父が亡くなってからの母の姿を思い出す…
親族や友人…誰にも頼らず、1人で俺を育ててくれて、朝から晩までずっと働いていた。
誰かに助けを求めれば良かったのに、母は頑固で強気な性格で誰かに頼ったら負けだと思っていたのだろう…
1人で俺を育てる寂しさや仕事でのストレスの結果が男に向いた…
セックスに溺れた母の印象が強かったが、俺の事を大事に育ててくれて、俺自身も片親という事以外では不自由なく生活出来ていた。
「……」
「佐伯さん」
「俺は…ちゃんと母を理解してあげられなかった…」
「幼少期に性知識なんてものありませんから、セックスについて理解出来ずに気持ち悪いと思ってしまっても仕方ありませんよ」