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恍惚なる治療[改訂版]
第3章 2回目の治療
柳川先生の手が肩や手に触れるだけで、妙に心地良くなり、心に積もる黒い感情が溶けていくような不思議な温かさがあった。
「これからは性行為について知っていきましょう。そして、お母様の苦労も…性知識を得るのは今からでも遅くないですよ。性知識を得て、セックスに対する嫌悪感や気持ち悪さを少しずつ解消していきましょう」
「…はい」
「では、今回のカウンセリングはここまでにして、そろそろ治療に移りましょうか」
いよいよかと重い腰を上げて立ち上がると、先生も立ち上がり同じ所で目が合った。
身長、同じくらいなんだな…とボンヤリ考えていたら、背中を押されてベッドの方へ。
カーテンが閉められ、この空間だけ周りから切り取られたような雰囲気が漂う…
妖しい雰囲気…
「前回同様、下着だけになって、ベッドに寝て下さい」
「……」
「佐伯さん?」
「や、やっぱりやめませんか?こんな…男同士で身体を触るなんて…他に治療法があるんじゃないですか…」
前回はギリギリ大丈夫だったが、今回不快感が上回って倒れてしまったら…と思うと一歩が踏み出せなくなった…
それに、男同士で性行為をしているなんて看護師に知られたら、お互いに気まずいに決まってる…