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恍惚なる治療[改訂版]
第4章 3回目の治療

「今日は入念に拭いて下さい。精液をローション代わりに使ってしまったので…」

時間を置いて起き上がれるようになって、身体を拭かれながら先生から伝えられて、俺は頬を熱くした…
2回目の射精に、自分の体液が使用されるなんて…

「佐伯さん、余り無理なさらないで下さいね…もし発作が出たら、途中で切り上げてでもその場から離れて下さい。佐伯さんの安全の為にも…」
「俺の…?平気ですよ。今日は頑張ったんですから、発作は起きないですよ」

ここ1週間体調が良く、女性が傍に居てもある程度の距離があれば気にせず過ごせるようになったのだから、恋人のフリくらいは平気だろう。
そう踏んでいると、柳川先生に頬を撫でられ、鼻先が付くくらいに顔を接近させられた。

「ち、近い…」
「私は心配なんですよ。出来れば恋人のフリなんてして欲しくない…自分の体調と相談して、ダメだと思ったら逃げて下さい」
「は、はい…」

来週の予約を終えて診察室から退室する歳、柳川先生の横顔が寂しそうだったのが心に引っ掛かった…





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