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恍惚なる治療[改訂版]
第2章 最初の治療

田宮さんらしい正直に物を言う姿に苦笑していると、原稿を丁寧に纏めて封筒にしまった。

「はい、確認させてもらいました。修正箇所は後日データで送らせてもらいますので、ご確認お願いします。今月もお疲れ様でした」
「ありがとうござい…アレ、今言わないんですか?」
「今言ったら佐伯先生が倒れそうなので、やめておきます。データで色々書かせていただくので後ほど」
「はい…」

息抜きに田宮さんからカフェに誘われたが、女性が多そうな場所に行くと気が休まらないので、早く帰って休もうと思い丁重にお断りした。
タクシーに乗って何とか帰宅したが、気持ち悪さがぶり返し、紛らわせようと洗面所に向かって顔を何度も洗う。

バシャバシャ…

「はぁ、はぁ、ううっ…」

ヤバい、気持ち悪い…頭がクラクラする…
1ヶ月前まで症状は酷くなかったのに、症状が悪化して過去のトラウマが蘇ったきっかけは俺の不注意からだった…



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